京都駅から烏丸通のほどない場所に、真宗大谷派東本願寺は位置する。西本願寺(龍谷山本願寺)に対して、東に位置することに由来する。豊臣秀吉の時代に、浄土真宗本願寺は、大坂天満から京都堀川六条に移転される。
その後、関ヶ原の戦いで徳川家康が江戸幕府を開くと、浄土真宗の力を弱めるために、東本願寺が分派独立させられる。教団内の権力争いをうまく利用し、家康は本願寺の落とし込みに成功した。そして、東本願寺は、徳川家から庇護を受けて発展した。しかし、幾度となく火災にさいなまれ、本堂などを失う。失うたびに新たな堂宇が建設された。
朝活は、観光地仕様が必要・・・

さて、東本願寺から一歩裏通りに入ると、朝の時間帯は、数多くの中学生が自転車を降りて通学している。京都は、抜け道として、裏通りも交通量が激しいため、交通事故を防ぐために自転車から降りて通学するらしい。
東本願寺の掘割りは、その水面に京都タワーを映し出す。カメラを構えていると、エサをもらえると思うのだろうか、鯉が群れをなす。また、朝早くに京都駅を目指すと、既に朝食を求めて訪日外国人がカメラ量販店の半地下に群れをなしている。やはり、鯉も外国人もエサが必要なのだとほっこりしてしまう。
神社仏閣の朝は早い。その速さに呼応していないのは、日本人だけなのかもしれない。
(2019.10.15.撮影)
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取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長