UN Tourism(国連世界観光機関、スペイン・マドリード)は5月15日、観光分野の理解と発展に大きく貢献した人物を称えるUN観光局の最高学術賞である第17回ユリシーズ賞を、オーストラリア出身のラリー・ドワイヤー教授に授与すると発表した。
ドワイヤー教授は、観光経済、目的地競争力、持続可能性に関する研究が理論と実践を結びつけ、政府や業界に革新的で持続可能な観光戦略を提供してきた。教授の研究は、観光政策や戦略策定において実際に活用されており、観光産業における理論と実践の架け橋として高く評価されている。
例えば、観光目的地の競争力を測定し、持続可能な観光発展を支援するための理論的枠組みを提案し、政府や業界がこれを活用して観光戦略を構築している。
教育面でも、オーストラリアを含む8カ国の大学で観光関連コースを開発し、MBAプログラムに観光経済学を組み込むなど、観光教育の発展に尽力している。代表的な共著「Tourism Economics and Policy」は、観光経済学の基礎から応用を網羅した書として学術界と産業界で広く利用されている。
また、UN観光局や世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)などの国際機関に政策提言を行い、観光税制や持続可能な観光戦略の策定に貢献している。
第17回UN観光局ユリシーズ賞の授賞式は、11月7日から11日にかけてサウジアラビア・リヤドで開催される第26回UN観光総会で行われる。