1960年生まれは、好きな花を聞かれたら、ひまわりと答えたい。夏で元気で黄色で明るくて大きくて、そういうひまわりが好きっていうのがいい気がする。

ところが昔、量販店でよく花を買って帰っていた頃があって、妹から「お兄ちゃんは、小さくて白い花が好きだよね」と言われて、そんなことないよと答えたけど、鉢から植え替えた団地の小さな庭には白くて小さな花がたくさん咲いていた。
清瀬ひまわりフェスティバル(東京都清瀬市)に行ってきた。今年で15回目、清瀬市では最大の観光イベントに成長している。西武池袋線清瀬駅北口から徒歩30分のほか、路線バスと臨時のシャトルバスが出ている。
停まっていたシャトルバスは満席で乗れず、観光協会のウェブサイトで調べていたレンタル自転車を借りることにした。1日利用で1台100円って、とてつもなく安い。
電車の車窓は住宅地が連なっていたけど、自転車で走り始めると、すぐに畑が現れ始めた。会場までは駅から自転車で10分ほどだった。ひまわり畑は農地の土壌を、作物に適した状態に保つための「緑肥」として種がまかれたのが始まりだそう。

背丈より高いひまわりの花を上から遠くまで望めるよう、会場の入り口にはひまわり畑の中央の通りにつながる展望通路が設けられていた。通路からは同じ方向を向いた10万本のひまわりが見えた。向かって左側はこちら側を向いた花、右側の花は後ろ向きだった。風が吹くと、重そうに見える花が、いっせいに揺れた。

ひまわり畑の通路からは、背の高いひまわりの花は前列5列くらいまでしか見えなかった。花を触るとずっしりと重い。何カ所かひまわり畑に入り込む短く細い道があって、そこは絶好のフォトスポットになっていた。そこではひまわりの花に埋もれた写真が撮れる。

露店でひまわりの花と同じ色のレモネードを買った。清瀬産のハチミツがたっぷり入っている。ハチミツにしっかり漬けられているからなのか、レモンの皮も果肉も甘くておいしかった。ゴミ箱にレモン入りのカップが捨てられているのを見て、知らないんだ、もったいないと思った。
清瀬ひまわりフェスティバルは7月26日に始まり、会期は8月3日まで。8月2、3日の週末はウェブサイトから事前予約が必要になる。3日夕方にイベントが終了すると、すぐにひまわりは刈り取られるそうだ。
ひまわりの後は、清瀬駅から反対方向へ自転車で10分ほどの「国立ハンセン病資料館」を見学した。ここもよかった。現在も療養で85人が入所している国立多磨全生園の一角にある。
〇アクセス 家から電車と自転車で1時間
〇滞在時間 4時間(自転車雨宿り含む)