この句は、初夏の福岡県門司港で客船飛鳥IIを目にしたときに生まれました。真っ白な船体が関門海峡を入って来る姿に夏の到来そのものを感じました。「ぐいぐいと」という語に、迷いなく進む力強さと、夏という季節の勢いを込めました。白い船は、夏という時間の中に自らを押し込んでいくようで、その潔さがまぶしく思えました。初夏の客船の姿には、これから始まる季節への期待と旅の高揚感が宿っています。
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