国土交通省が7月30日に公表した「航空輸送統計速報」によると、6月の国内航空旅客数(定期便)は前年同月比1.0%増の798万6,290人となり、2カ月ぶりに前年を上回った。国際線の旅客数は同16.3%増の258万7,084人で、訪日外国人の利用を中心に好調が続いている。
国内線の旅客数はコロナ前の水準にはやや届かないものの、堅調に推移。幹線路線では羽田-新千歳が107万9,316人(同2.8%増)、羽田-福岡が87万9,207人(同3.2%増)、羽田-那覇が74万2,646人(同3.4%増)といずれも前年を上回った。一方で、伊丹-福岡(同6.4%減)、那覇-石垣(同6.9%減)など一部の路線では前年を下回った。
人の移動量を表す指標である「旅客キロ(人キロ)」では、国内線が同0.7%増の90億2,943万2,000人キロだった。これは、1人が1キロ移動した分を合計した延べ移動距離を表しており、移動距離の長い路線の利用が増えたことを示している。
国際線は、アジア路線の回復が全体を牽引した。6月の国際線旅客数(定期便)は前年同月比16.3%増の258万7,084人となった。方面別では、アジアが170万5,877人(同12.7%増)で全体の約66%を占める。太平洋方面(日本-北米間)は28万5,440人(同23.6%増)と高い伸びを示し、欧州方面は11万1,887人(同10.3%増)、オセアニア方面は4万9,346人(同33.6%増)だった。中東・アフリカなどを含む「その他」も43万4,534人(同33.9%増)と大幅に増加した。
国内・国際を合わせた定期便の全体旅客数は、同4.8%増の1,057万3,374人で、2カ月連続の増加となった。
訪日外国人旅行者の増加に加え、日本人の海外旅行需要の持ち直しもあり、夏期に向けて航空各社では増便や機材の大型化が進んでいる。