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北陸の銀閣~松桜閣・富山県黒部市~ニッポンを歩こう113

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黒部宇奈月温泉駅は、北陸新幹線の開業によって新たに設置された駅だ。そのため、在来線との接続はなく、富山地方鉄道の駅が、近くに存在している。黒部川の扇状地に位置し、地鉄の隣駅には、富山県初代県令・国重正文の元私邸である「松桜閣」が移設されている。

松桜閣は、「北陸の銀閣」とも呼ばれる。近江八景を模した回遊式庭園に数寄屋造りの建物が配される。装飾のない板張りの建物は、まさしく、銀閣寺のようだ。当初は、富山市内に建てられていた。しかし、黒部の豪農西田豊二が購入、1891年に移築した。その後、曹洞宗天真寺が所有することになり、境内に整備され現在に至っている。

明治時代の日本家屋は、保存の不備から朽ち果ててしまうものが全国各地に存在する。そのため、この松桜閣も2008年から約3年かけて復元修理を進めた。住まいとして使用されていたため、傷みは激しかった。しかし、細い柱と低い天井が特徴的であり、完成されたフォルムは、建物の内外いずれに居ても魅了されるものだ。

北陸新幹線の開業という一つの契機をうまく活用し、貴重な文化財を復元保存する地域の取り組みは、新たな観光コンテンツの創出にもつながっている。

(2015.07.02.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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