京都には、日付が決まっている有名な縁日が2つある。弘法大師空海が開祖の東寺が21日。そして、菅原道真を祀る北野天満宮が25日だ。「弘法さん」「天神さん」と言って、みやこ人には、なじみ深い。天気も左右すると言われ、どちらかが晴れて、どちらかが雨だと、どっちが勝った(負けた)と競い合う。特に1月と12月の縁日は、「初弘法」「終い天神」と呼ばれ、にぎわいを増す。
さて、菅原道真は、誕生日が6月25日。また、薨去日が2月25日と、25日が双方に由来して、縁日が営まれる。こと、北野天満宮の縁日は、境内や沿道に約1,000店舗もの屋台が立ち並ぶ。そして、食べ物だけではなく、古着や骨とう品なども出店される。境内裏手に並ぶお店の目玉商品は、午前中早々に売り切れる。そのため、早くからひっきりなしに人々が集う。
初詣が終わり、2月になると、境内の梅苑の季節となる。ちょうど25日前後は、満開の白や赤の梅の花が迎えてくれる。そして、春から夏にかけて、豊臣秀吉が造営した御土居跡のもみじが、初夏には緑、秋には真っ赤に染まった姿を見せてくれる。一年中、季節感のある姿を見せてくれるために、人が絶えることはない。
地元の人々との触れ合いを求める旅は、ディープな京都を体感できる。
(2022.02.25.撮影)
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取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長