福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)で開催中の特別展「獣脚類2025~『フクイ』から探る恐竜の進化~」が8月8日、開幕から29日で来場者10万人を突破した。SNSで「美しすぎる」「最高にカッコイイ」「感動した」と話題を集める全長14メートルのスピノサウルス全身骨格展示、その組み立てから宙づり展示が完成するまでの裏側を、特別展を共催する福井新聞社が伝えている。

スピノサウルスはドイツから七つの木箱で搬入され、約200個のパーツに分かれた状態で到着した。背中の帆状突起は高さ2メートルに達し、全体のバランス調整が難しい構造のため、日独のスタッフ8人が17時間半をかけてつり上げ作業を行った。
頭骨(長さ1.6メートル)を取り付けると全容が現れ、開幕直前に美術照明家がライティングを施し、迫力と美しさが際立った姿が完成した。
会場では全身骨格を360度から鑑賞でき、水面をイメージした鏡越しに見上げたり、影を撮影したりと楽しみ方も多彩。第二次世界大戦で失われたホロタイプ復元標本や、モロッコで発見されたネオタイプ復元標本、福井県で発掘された歯の実物化石も展示され、スピノサウルス展示の決定版といえる内容となっている。
同展はスピノサウルスを含む4章構成で、獣脚類の進化を多角的に紹介している。会期は11月3日までで、観覧には博物館公式サイトから日時指定券の事前購入が必要となる。