淡路島は、国内11番目の面積を誇る瀬戸内海最大の島である。その大きさゆえに、俯瞰しても全体像が見えることは少ない島でもある。島内の人口は約12万人。日本神話の国産みの島(最初に創造した島)としても知られている。
古代は、淡路国として一つの国だった。しかし、明治時代に廃藩置県で、徳島県ではなく兵庫県に編入される。また、温暖な気候と盛んな農業により、酪農やタマネギ栽培がよく知られている。
第二次世界大戦中は、要塞地であった。そのため、観光とは距離を置いた場所だった。しかし、1950年に国立公園に編入され、鳴門の渦潮とともに有名観光地と成長していく。一方、2016年パソナグループが本社機能を移転させる。また、飲食業のバルニバービが進出し、島の西側海岸を開発している。
国産みの島は、今では交通の大動脈に
さて、本州側は明石海峡大橋、四国側は大鳴門橋と、本州と四国はつながっている。関西圏からは、高速道路網が直通し、交通の大動脈にもなっている。そして、大手企業の進出によって、リゾートタウンとしてのイメージも強くなった。

国産み神話は、淡路島の南海上、約4.5kmの沼島に始まる。伝説には、イザナギとイザナミが、まず最初にオノゴロ島に降り立ったと言われる。この島が沼島だと言われるのだ。そして、その名残が「上立神岩」と呼ばれる岩礁である。ここで大地をかき混ぜ、矛から落ちたものが淡路島と伝わっている。島内には、伊勢神宮から続く「太陽の道(北緯34度32分)」の一部を形成する石上神社もあり、島全体の神秘性を高めている。
子どもの頃、日本地図を眺めていると、淡路島をひっくり返すと琵琶湖の形になると思ったものだ。さすが、神様が作った島だけあると俯瞰するたびに、日本列島の不思議を垣間見る瞬間となる。
寄稿者 観光情報総合研究所 夢雨/代表
(これまでの寄稿は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=181