愛知県あま市の萱津神社で8月21日、日本で唯一とされる「漬物」の祭り「香乃物祭(こうのものさい)」が開かれる。1300年以上の歴史を持つ伝統行事で、全国から漬物業者や参拝者が訪れ、毎年およそ1000人が参加している。
萱津神社には国内唯一の「漬物の神」とされる鹿屋野比売(かやぬひめ)が祀られている。古くからこの地は海と山の幸を神に供える風習があり、供物の一部を甕に入れたところ偶然にも塩漬けとなったことが、漬物の起源と伝えられている。
当日は本殿で祝詞奏上や巫女舞が奉納された後、香の物殿で「漬込神事」が行われる。参列者がナスや白菜などの野菜を塩とともに甕へ漬け込み、願いを込める神事で、一般の参加も可能。漬け込まれた野菜は後日、熱田神宮に奉納される。
境内では漬物茶漬けの販売、前年に漬け込んだ香の物の授与、全国漬物即売会、野菜をかたどったお守りなども並び、漬物文化に触れる機会となる。
香乃物祭は午前9時30分から午後3時30分ごろまで行われ、本殿祭は午後2時からの予定。会場はあま市上萱津車屋の萱津神社境内。神社へは名鉄名古屋本線「須ヶ口」駅から、徒歩約15分。