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十円玉を重ねて見ると~平等院鳳凰堂・京都府宇治市~ニッポンを歩こう126

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1052年、世の中は「末法の世」に入ったと伝わる。そのため、藤原頼道は極楽西方浄土を具現化しようと、宇治の地に阿弥陀堂を建立した。また、ここは、9世紀末に陽成天皇をはじめとする離宮が造営された場所でもある。鳳凰堂を中心とした浄土式庭園は、現世からの救済を求める最高傑作と言われている。

17世紀まで、平等院は天台宗と浄土宗の双方の宗派を兼ねていた。しかし、その後、特定宗派に属さない単立の寺院となった。また、1994年に登録された世界遺産「古都京都の文化財」の構成施設の一つにもなっている。

さて、中国の神話に登場する伝説の鳥「鳳凰」が羽を広げた左右対称の御堂は、十円玉の絵柄としても有名だ。2014年にお色直しした際、その姿はこれまで以上にその朱色が神々しさを増していた。2018年には、金色の光を投射するライトアップを行なったことも世の中を「あっ」と言わせた。

正確な情報発信を進めるために

最近の京都観光は、有名な神社仏閣とそれ以外の観光客数の差が激しくなっている。平等院は、市中から離れているため、修学旅行で赴いた以来という人が多い。それだけ観光コンテンツが豊富と言えるのかもしれない。

観光コンテンツも生き物である。常に最新情報をアップデートすることが大切である。観光に携わる者は、より多く現地に足を運ばねばならない。現地情報はインターネットで仕入れるという観光客は増えている。しかし、より深堀した地域情報は、足を運び、汗をかいた結晶でなくてはならない。

真新しい鳳凰堂を見ながら、地域情報の大切さを再認識した瞬間でもある。

(2022.04.08.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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