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兵たちの夢の跡~朝倉氏の都「一乗谷」・福井市~ニッポンを歩こう135

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一乗谷は、九頭竜川の支流・足羽川沿いに開かれた戦国大名・朝倉氏の都である。南北朝時代に朝倉広景が主人の斯波高経(しばたかつね)に従って越前に入る。そして、孝景の代、1467年の応仁の乱をきっかけに一乗谷に本拠地を移し、斯波氏を追放して越前国を平定した。以後、義景まで5代103年間にわたって越前国の中心として繁栄する。この間、京都や奈良の貴族・僧侶などの文化人が訪れ、北陸の小京都と呼ばれた。また、足羽川は、三国港で日本海に流れ出る。その水運を活用し、朝倉氏は繁栄を手にしていた。

1573年、織田信長に敗れ朝倉氏は滅びる。その際、城下町も焼き尽くされ、跡形もなくなっていた。そのため、幻の都と呼ばれた時期もあった。しかし、城下町の跡は、良い状態で埋没していた。発掘調査が1967年から進められ、1971年に一乗谷城を含む278haが国の特別史跡に指定される。また、1991年に諏訪館跡庭園や湯殿跡庭園、館跡庭園と南陽寺跡庭園の四庭園が特別名勝に指定された。

もし、歴史が変わっていたら…

復原された城下町は、戦国時代にタイムスリップさせてくれる。まさしく、「兵たちが夢の跡」という言葉が合致する。歴史には「もし」はないが、朝倉・浅井の連合軍が、信長を破っていたら、一乗谷は、もっと大きな城下町になっていただろう。

2024年3月、北陸新幹線は、福井県敦賀まで延伸した。これまで、首都圏からの観光地として、未開の場所であった福井県は、大きな変化を迎える。一乗谷だけでなく、楽しみが倍加される場所となることだろう。

(2016.03.27.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

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