福島県の猪苗代湖(会津若松市、郡山市、猪苗代町)で、希少な水生植物「アサザ」が見頃を迎えている。黄色い花が湖面に浮かび、初秋の穏やかな風景を彩っている。アサザは環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている。花は早朝から半日ほどしか咲かず、開花のピークは例年8月下旬から9月中旬にかけてとなる。
日本で4番目に大きい猪苗代湖は、197種の動物や705種の植物が確認される生物多様性の宝庫。国内最大級のアサザ群生地を有し、今年7月、猪苗代湖は湿地の保全を目的とする国際的な条約「ラムサール条約湿地」に登録されている。
地域住民や行政が協力して水生植物ヒシの刈り取りなど保全活動を進め、これらの取り組みはアサザ群生地の保全にもつながっている。
アサザの見学スポットは湖の北岸に広がる松浜橋や白鳥浜周辺で、JR猪苗代駅から車やバスで約15~20分の距離にある。見頃は9月中旬頃まで続く見込みで、湖畔の宿泊施設や観光地とあわせて訪れる人々に自然豊かな景観を楽しませている。
猪苗代湖はラムサール条約湿地として国内54カ所目、福島県では尾瀬に次ぐ2カ所目の登録地となった。