「鉄道の日」実行委員会は9月12日、第24回「日本鉄道賞」の受賞者を発表した。今年度の日本鉄道大賞には、神戸市交通局の取り組み『KOBE KAWARU ACTION 駅から神戸をよくしよう』を選出。また、日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞として、4つの組織・プロジェクトが選出した。
「日本鉄道賞」は、日本で最初の鉄道が開通した10月14日に制定された「鉄道の日」の趣旨に基づき、鉄道に対する国民の理解と関心を高める、優れた取り組みを表彰するもので、今年で24回目。日本鉄道賞表彰選考委員会によって、全応募案件32件を各委員が評価・議論の上、「日本鉄道大賞」および「日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞」が選定された。
選考は、日本鉄道賞表彰選考委員会が全応募案件(計32件)の評価から、ヒアリング対象案件(計11件)を選出。選出された11件は、応募者からオンラインでヒアリングが行われ、改めて各委員が評価・議論の上、選考、受賞者が決定される
受賞作品
【日本鉄道大賞】
神戸市交通局『KOBE KAWARU ACTION 駅から神戸をよくしよう』
【日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞】
東京地下鉄:『日本の地下鉄では初めてとなる無線式列車制御システム(CBTCシステム)の導入』
四国旅客鉄道:『チケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」の開発』
のと鉄道:『のと鉄道 震災から立ち上がる復興への取り組み』
旅行読売出版社、読売新聞大阪本社、TOPPAN、TOPPANデジタル、エスツー、DGフィナンシャルテクノロジー:『現地消費型ふるさと納税を活用した地方鉄道・沿線自治体支援の取り組み 「テツふる」』
日本鉄道大賞:神戸市交通局『KOBE KAWARU ACTION 駅から神戸をよくしよう』
選考理由(原文):多くの地域が抱える人口減少は、神戸市にとっても大問題。そんななか、鉄道はなにができるのでしょう? 神戸市交通局のプロジェクトの内容は、びっくりするものでした。「まずは駅を掃除しよう」。そうそう、誰だって自分の家に人を呼びたいなら、部屋をきれいにします。とくに駅は地域の玄関。いつもの業務を終えた終電後、みんなで壁を、階段を、床をごしごし。驚くほどにピカピカに。それが済んだら今度はトイレをごしごし。おいしくておしゃれな店も人を呼ぶかもしれませんが、みんなが使う駅のトイレはしゃれた店より先に大事なこと。ちゃんと心地よく使ってもらえる場所に。
「社会や地域の課題」というとつい大仰に考えてしまいますが、できること、実はいっぱいあるんじゃないか。神戸市交通局はそこに気づき、そして私たちに気づかせてくれました。スタートはお金を動かすのではなく、一人一人が手を動かすこと。等身大でシンプルだからこそ、強く地域の心に響いたメッセージ。「駅のヘンシンは、神戸の未来のヘンシンにつながっていく」。地域と鉄道の素敵なストーリーを残してくれた神戸市交通局へ、ここに日本鉄道大賞を授与します。