星野リゾート(星野佳路代表、長野県・軽井沢町)は10月23日(木)、利用者が客室や食事、アクティビティを自由に組み合わせて予約し、変更もできるシステム「FleBOL(フレボル)」を開発し、導入した。
星野代表は10月22日(水)に開いた定例会見で、直販での予約は全体の7割を占めることを説明し、「食事付きの連泊プランを直販で予約した宿泊客は毎日、同じ場所で食事を食べることになり、不便な点があった。滞在中の一部の食事について、ホテル周辺にある飲食店の利用を望む声もあるため、柔軟に要望へ応え、宿泊客の利便性を高める」と説明した。
さらに、「1泊2日が多く、連泊が増えないのはシステムが硬直化しており、自由な行程を提供できなかったことが原因。宿泊客が旅の行程をアレンジできるようにすることで、連泊需要が増える。予約のしやすさは競争力も高める」と語った。
今回は第1弾として、予約完了後に人数と部屋タイプ、宿泊プラン、日程のアレンジが可能になる機能を界ブランドの全施設とLUCY尾瀬鳩待(群馬県・片品村)に導入した。「参加する友人が増えた」や「より広い部屋に変えたい」など旅の計画で発生する要望に応える。変更は到着日の午前9時まで受け付ける。
同社は2027年までに全施設での展開をはかり、将来的に旅マエから旅アトにおいて消費者がスマートフォンでスムーズに旅を自由にアレンジできる姿を目指す。
星野代表は構想に16年、投資金額18億円を掛けたことを説明し、「システムに私のキャリアを懸ける覚悟がある」と意気込みを示した。さらに、「今後フレボルの他社への販売も検討したい」と話した。
また予約の利便性を高めるため、宿泊日の21日前から10%、3日前から100%を課していたキャンセル料を40日前から10%、7日前から30%へ変更した。
広島と山形に初進出 界ブランドで26年に
同社は26年夏、「界 宮島」(広島県廿日市市)を、同年秋に「界 蔵王」(山形県山形市)をオープンする。両県への星野リゾートの進出は初めて。
このうち、「界 宮島」は厳島神社の大鳥居を望む宮島の対岸に位置する。すべての客室が宮島を望むオーシャンビューとなっている。
瀬戸内で古くから親しまれてきた「石風呂」を再現。現存する石風呂の調査や過去の文献を参考にしていく。
「界 蔵王」は蔵王の観光名所「御釜」から着想を得た、360度パノラマのルーフトップテラスを設ける。テラスの中心にはジャグジーバスを備え、景色を眺めながら湯浴みを楽しめる。大浴場では、強酸性の硫黄泉の恵みを最大限に享受できるよう、温泉濃度が異なる3つの湯船を備える。
情報提供 旅行新聞新社(https://www.ryoko-net.co.jp/?p=157408)