古都京都、特に鴨川には、青が似合う。かつての五条大橋周辺は、先斗町辺りとは趣きを異にした鴨川の姿を見せる。この鮒鶴京都鴨川リゾートは、1870年に創業した老舗の料理旅館だ。今では「和」の結婚式場やレストランとして、営業している。
今は、松原橋と名乗る橋を渡ると、その先には、宮川町が位置する。京都6花街の一つで、毎年春には「京おどり」を上演する。明治時代になると、遊郭としても有名となり、今でもその名残の建物が時を刻んでいる。
さて、夏の終わりは、春の桜色、秋の朱色とは違った彩りを見せてくれる。天候が安定し、空が青々と輝く。そして、その姿を川面に映し出す。このような時期は、なかなか京都に赴く機会がない。しかし、ゆっくりと町歩きと洒落こむ時間は、至極の時間である。
有名な神社仏閣だけでなく、京都の町は、その歴史を常に語っている。そのような場所と時間を共有できるのだ。そして、宮川町周辺には、行き止まりの路地(ろうじ)や通り抜ける辻子(ずし)など、京都特有の町割りの小径もある。自分だけの京都旅、確かめてみては、いかがだろうか。
(2023.09.25.撮影)
(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8
取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長