【New!トップページ新着コメント欄追加】 学び・つながる観光産業メディア

額縁の向うは、リアス式海岸~宇和島城・愛媛県宇和島市~ニッポンを歩こう160

コメント

日本列島には、海食・隆起による景観が数多い。特に、入り組んだ海岸線が連続するリアス式海岸は、高台から俯瞰する姿が、とても素晴らしい。

豊後水道の愛媛県側もしくは佐田岬半島の南の海域を「宇和海」と呼ぶ。奥には宇和島湾があり、大小さまざまな島が浮かんでいる。その沿岸は、変化に富み複雑な構造のリアス式海岸である。現在は愛南町となっているが、御荘(みしょう)を始めとする景勝に富んだ場所が多い。

また、入り江を利用した養殖漁業も盛んだ。特に、真珠やハマチ、マダイの養殖は全国有数の場所となっている。そして、内陸部は段丘が発達し、時期になると、山肌は温州みかんの黄色と木々の緑が映える。

さて、この地域の中心は、宇和島城である。中世期にあった板島丸串城の跡を、藤堂高虎は近世城郭に改修した。標高74mの丘陵とその一帯に城郭を構えている。そして、内堀で隔てた侍屋敷が置かれた外郭を廻らせる梯郭式の平山城となっている。東側は海水を引き込んだ水堀、西側半分が海に接し「海城(水城)」となっているのが特徴でもある。

これまで、三大海城の一つと言われていた。しかし、現在は堀も海も埋め立てられている。そのため、往時の面影は大きく失われた。但し、天守は国内12の現存する城郭の一つ。苦労して登った天守からリアス式海岸が優雅に広がる姿は、とても素敵である。

(2023.11.14.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

/
/

会員登録をして記事にコメントをしてみましょう

おすすめ記事

/
/
/
/
/