東京十社の一つでもある品川神社は、東海七福神として大黒天を祀っている。源頼朝が安房国の洲崎神社から勧請し祀ったのがはじめとされる。また、徳川家康が関ヶ原の戦いに際して、戦勝祈願を行なった神社としても記録が残されている。

途中の踊り場の左側が富士塚だ
第一京浜沿いの境内入口の鳥居は、「双龍鳥居」と呼ばれる。左右に昇り龍と降り龍が彫刻され、東京三鳥居とも言われる。また、そこから石段を登ると、「品川富士」と呼ばれる富士塚がある。江戸七富士にも数えられるものだ。
山頂に昇ると、眼下には第一京浜に車が往来する。
そして、京浜急行電鉄の高架線の向こう側は、かつての海岸線だ。旧東海道も南北に走っている。今でも街道の名残があり、古き建物も存在する。
さて、都内の富士塚の中でも、品川神社は、お社が小高い丘の上に立地する。そのため、天王洲から先、東京湾の人工島も見える。江戸時代の人々は、ゆっくりとした時間を過ごしていたことだろう。そう思うと、少しばかりタイムリープしてみたいと感じる。
関東地方に多い富士山信仰、その中でも、ここからの眺めはとても素晴らしいものである。
(2024.03.06.撮影)
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取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長