大塩商事(旧商号:国際観光ホテル淡海荘、代表清算人=大塩茂彰氏、兵庫県淡路市)は9月30日(火)、神戸地裁洲本支部から特別清算開始命令を受けた。帝国データバンクによると、負債は2023年4月期末現在で約3億6900万円だが、「その後変動している可能性がある」としている。
同社は1955(昭和30)年4月創業、63(昭和38)年5月に法人改組された。淡路島の北端に位置する岩屋温泉で旅館「国際観光ホテル淡路荘」の運営を手掛けていた。
阪神エリアからのアクセスが良く、97年6月に新館が稼働したことで、98年4月期には年間収入高約1億2400万円を計上。同年4月の明石海峡大橋開通や、2000年3月のジャパンフローラ2000(淡路花博)開催により、宿泊客は増加傾向をたどっていた。
しかし、その後は長引く景気低迷により、宿泊客は徐々に減少。20年以降は新型コロナの影響で21年4月期の年間収入高は約6000万円に落ち込んでいた。
「散発的に赤字を計上し、大幅な債務超過に陥るなか、経費削減とともに淡路島の新鮮な魚介を売りにしたメニューで食事利用での集客に注力したが奏功せず、自力での再建は困難と判断」(帝国データバンク)。
24年2月に会社分割により、ジーライオングループの淡海荘(現:国際観光ホテル淡海荘)へ事業を譲渡すると同時に、同社は現商号に変更し、同年8月31日開催の株主総会の決議により解散していた。
なお、「国際観光ホテル淡海荘」は新会社のもとで引き続き営業をしている。