ワイキキ中心部に位置するカ・ライ・ワイキキビーチが、2026年春の全面リニューアル完成を目指して改装を進めている。このほど来日した同ホテルのマネージング・ディレクターであるスコット・イングワーズ氏に、リブランドの背景や市場戦略について話を聞いた。
イングワーズ氏によると、今回の改装は約3年前から計画が始まり、内装、レストラン、パブリックエリアなど館内全体を刷新するものだという。外観は従来のままだが、館内は上品でエレガントな雰囲気へと一新され、2026年3月後半から7月初旬の完成を予定している。すでに一部施設では改装が完了し、既に稼働している新客室も。
コンセプトはヨーロッパのテーマとハワイの伝統的モチーフの融合。設計はブライアン・オサリバン・スタジオが手掛け、上品でエレガントな内装へと刷新するという。
同ホテルは、かつてトランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキとして稼働していたが、2024年にヒルトングループのLXRブランドとして再出発した。イングワーズ氏は「スタッフは変わらず在籍しており、トランプ時代と同じ高水準のサービスを継続している。これまで以上に洗練された空間とおもてなしでお迎えしたい」と語る。
宿泊者の約半数は海外からのゲストで、依然として日本人利用が多数を占める。かつては全体の7割を日本市場が占めていたが、現在は3割程度。それでもイングワーズ氏は「富裕層やリピーターのお客様は戻りつつあり、ラグジュアリー層の回復を実感している」と話す。
日本市場の回復が遅れている理由については「為替の影響と、コロナ後の国内旅行支援策による需要の分散が大きい」と分析。「円安の状況でも“ハワイへの愛”を持つ方々が戻ってきている。為替に左右されず、そろそろハワイに行きたいという声が増えていけば」と期待を込めた。
ホテルの強みについては、「客室の広さと設備、そして高いサービスレベル」と強調する。キッチンや洗濯機、乾燥機を備え、長期滞在や三世代旅行にも適した構成となっている。「ご自宅に住むように滞在できるホテルとして、1週間から1か月以上の宿泊も多い」と語る。
また、販売チャネルについては、OTAやホールセラー、直販サイト、旅行代理店など、バランスの取れた構成を維持しているという。改装完了後にはSNSや公式サイトを通じたキャンペーン展開も予定する。
旅行会社に向けては、「安心と信頼をもって送客いただけるホテルでありたい」とメッセージを送る。「日本語を話せるスタッフがワイキキで最も多いホテルの一つ。トラブルがあっても現地で迅速に対応できる体制を整えており、旅行会社やホールセラーの皆様には安心して販売いただきたい」と呼びかけた。
情報提供 トラベルビジョン(https://www.travelvision.jp/news/detail/news-119817)