令和トラベルは4月22日、旅行アプリ「NEWT(ニュート)」の予約データをもとに、2026年ゴールデンウィークの海外旅行動向を発表した。円安や国際情勢の影響を背景に旅行者のコスト意識が高まる中、近距離志向の強まりと東南アジアなど中距離エリアへの広がりが鮮明となった。
韓国が45.9%、“コスト・時間・体験”で圧倒的支持
渡航先別では韓国が45.9%と約半数を占め、突出した人気を維持した。フライト時間の短さに加え、LCCの充実による価格優位性が大きく影響している。さらに、美容施術やグルメ、エンターテインメントなど目的特化型の消費が成立しやすく、短期間でも高い満足度が得られる点が評価された。GWの限られた日程の中で、「時間効率」と「体験価値」を両立できる渡航先として選好が集中した格好だ。
東南アジア拡大、“手の届く中距離”として存在感
一方で、ベトナムやインドネシアなど東南アジア市場の伸長も目立った。これらの地域は現地物価が比較的低く、円安局面でも総旅行費用を抑えやすい点が特徴だ。ダナンやホイアンといったリゾートエリアの整備が進むベトナム、通貨安によるコストメリットが高まるインドネシアなど、都市観光とリゾート滞在を組み合わせた多様な体験が評価され、“手の届く中距離”として選択肢が広がっている。
韓国や台湾、タイといった従来の人気エリアも安定した需要を維持しており、海外旅行市場は単一トレンドではなく、多層的な構造を見せている。
燃油高で「距離」と「総コスト」が判断軸に
同社は、2026年5月以降に予定される燃油サーチャージの上昇により、今後は渡航先選びにおける「距離」と「総コスト」の重要性がさらに高まると分析する。従来の「行きたい場所」中心の選択から、「コストに見合う体験価値」を重視する傾向が強まり、海外旅行は「気軽に行く近距離」と「計画的に行く長距離」への二極化が進む見通しだ。
“かしこい旅行先”はコスト構造で選ぶ時代
こうした環境下で同社は、燃油サーチャージの影響を受けにくい旅行先として、シンガポールやケアンズ、台北を挙げる。シンガポールは燃油サーチャージを別途徴収しない航空会社の存在によりコストの見通しが立てやすく、ケアンズはLCC直行便による価格の明確さが強み。台北は短距離かつLCCの料金体系の分かりやすさから、コストと利便性のバランスに優れる。
同社は、海外旅行の意思決定プロセスが「価格・距離・体験価値」の総合判断へとシフトしているとし、「近距離の気軽さ」と「長距離の価値体験」をどう使い分けるかが、今後の市場の鍵になると指摘している。
調査は、2025年4月26日~5月6日および2026年4月25日~5月10日のGW期間における海外ツアー予約人数データをもとに集計した。