日本旅行業協会(JAT:髙橋 広行会長)は、このほど「【要望】訪日旅行の持続的発展に向けて~第5次観光立国推進基本計画目標達成のために~」を村田茂樹観光庁長官に提出した。要望作成にあたってはJATA訪日旅行推進委員会が自治体や観光関連事業者・団体を対象に2023年から定期的に実施している「インバウンド受入拡大に向けた意識調査」から課題を抽出し、観光庁と協議しながら「第5次観光立国推進基本計画」に掲げられているインバウンド関連の目標達成に向けた必要事項に関して要望した。(写真は左から、村田観光庁長官、石田訪日旅行推進委員会副委員長、磯康彦訪日政策検討部会座長)
要望の主な項目は、次の通り。
1、地方誘客の一層の推進に向けた官民一体となった総合的なプロモーション
2、観光の質的向上を担う観光人材の育成強化
3、国際交流機会の創出による若者の国際教育強化 海外教育機関との交流奨励プログラムの実施
まず1については、課題として地方誘客推進の連携不足を挙げ、コンテンツ造成・プロモーション・誘客の一体化などを強化を図る必要があるとした。また、単年度事業では持続的な誘客に結びつけることが難しく、コンテンツのみの販売に終始してしまうと指摘した。今回、JRが行っているディスティネーションキャンペーン(DC)のインバウンド向け訪日版ディスティネーションキャンペーンを展開するうえでは、複数年度の予算事業を組み合わせ事業展開することが有効との考えを示した。特に滞在日数が長い欧米系の訪日旅行の販路拡大、集客には不可欠とした。
2の観光の質的向上を担う観光人材の育成強化では、通訳ガイド(全国通訳案内士)の質・量の拡充を通じた観光の質的向上と)地方誘客を担う観光人材育成(在留外国人活用・アドベンチャーガイド育成など)の課題を掲げた。通訳ガイドの需要は繁閑の差が大きく、ガイドの収入が不安定となること、新規ガイドや経験が浅いガイドの就労機会が少ない、英語、中国語以外のガイドの絶対数が不足しているなどを指摘した。こうした現状で、地方誘客を担う観光人材育成をする上での具体策として在留外国人活用・アドベンチャーガイド育成などの提案をした。
3番目に関しては、海外教育機関との交流奨励プログラムの実施を挙げた。課題として日本の教育機関の海外修学旅行の教育的効果の低下を指摘。円安や世界的な物価高から一定の価格帯より教育効果の薄い自主行動の旅程が増えている実態があるとして、このようなケースでは国際人育成という学習効果が得られていないという教育現場からの声が多数あることを明かした。
記者会見に臨んだ石田恒夫訪日旅行推進委員会副委員長は「新たな観光立国推進基本計画が閣議決定されたことに伴い、官民が連携して持続可能な訪日旅行を推進していきたい。JATAとして会員旅行会社がインバウンド事業に新規参入しやすくするためマニュアル作りも進んでいる」と抱負と具体策を述べた。