東日本旅客鉄道は6月9日、夜行運転に対応する新たな特急列車「ルナ・アズール(Luna Azul)」を2027年度初に導入すると発表した。品川〜青森間を結ぶ夜行運行を中心に、“乗ること自体が目的”となる新たな鉄道旅を提案する。
「ルナ・アズール」は、JR東日本グループの長期ビジョン「勇翔2034」で掲げる「地域に活力をもたらし豊かな日本に」の実現に向け導入する新型特急列車。寝台列車文化への想いを引き継ぎながら、上質な個室空間やラウンジを備え、非日常の移動体験を提供する。
「青い月」を意味する新列車名
列車名「ルナ・アズール」は、スペイン語で「青い月」を意味する。JR東日本によると、「青色」「上質さ」「包み込まれるような心地よさ」「日常を離れた体験」といった列車コンセプトを表現した名称として採用した。車体は“ブルーモーメント”をイメージした濃紺基調のデザインで統一。ロゴは、10両編成を包み込む光線が“青い月”を形作るデザインとした。
品川〜青森を夜行運転 週2往復
導入当初は、春〜秋季にかけて品川〜青森間を夜行列車として運行する予定。運行ルートは、上越線・羽越本線経由。週2往復程度を計画し、下りは21時頃に品川駅を出発、翌9時半頃に青森駅へ到着する。上りは16時頃青森発、翌7時頃品川着を予定している。所要時間は約12.5〜15時間。
10両編成で、乗車定員は125名。車内にはプレミアムグリーン個室やグリーン個室、ラウンジ「ルナ・ヴィスタ・ラウンジ」などを設置する。また冬季は、7両編成で品川〜長野原草津口間を昼行特急として運行。草津エリアへの観光需要取り込みも狙う。
“移動そのもの”を楽しむ個室空間
車内には、多様な個室タイプを用意する。1名用「ルナ・プレミアム」は幅110cm×長さ190cm程度、2名用「ルナ・プレミアムワイド」は幅200cm×長さ190cm程度。グリーン個室「ルナ・コンフォート」や4名利用可能な「ルナ・コンフォートグランデ」なども設定する。また、車いす利用者向け個室も6号車に配置。販売スペースではドリンクやスナック販売も予定する。
公開されたイメージでは、夜の車窓を楽しめる個室空間や、朝の田園風景を眺めるラウンジ体験など、“移動そのもの”を楽しむ演出を打ち出している。
「寝台列車文化」継承へ
JR東日本では、「北斗星」「カシオペア」など寝台列車人気が根強い一方、近年は豪華観光列車や体験型鉄道需要も拡大していることを背景に、新たな夜行列車導入を進めてきた。
今回の「ルナ・アズール」は、従来の“移動手段”としての夜行列車ではなく、「旅そのもの」を楽しむ高付加価値型列車として位置付ける。
料金は、品川〜青森間のグリーン個室利用で、「東北新幹線グリーン車+α程度」を想定しているという。参考として、東京〜新青森間の東北新幹線「はやぶさ」グリーン車通常期料金は2万4,180円。販売は旅行商品形式を予定。具体的な運転日やダイヤ、料金、サービス内容などは今後発表する。