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学生起業、経験者の約8割が「起業してよかった」 ANOBAKA調査

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シード期スタートアップに特化したベンチャーキャピタルのANOBAKAは、起業家や学生など103人を対象に実施した「学生のキャリア選択に関する実態調査」の結果を発表した。学生時代に起業しなかった社会人起業家の58.1%が「学生時代に戻れるなら、学生起業をしてみたい」と回答した一方、実際に学生時代から起業を具体的に考えていた人は14.5%にとどまった。学生起業を経験した人では77.8%が「起業してよかった」と答えており、学生起業への関心と実際の行動との間にギャップがあることが分かった。

起業家の58.1%「学生時代に戻れるなら起業したい」

調査は2026年7月23日から8月5日までインターネットで実施。社会人起業家62人、学生起業家27人、起業経験のない学生14人の計103人から回答を得た。

学生時代に起業を経験しなかった社会人起業家62人に、学生時代へ戻れるなら起業したいか尋ねたところ、58.1%が「はい」と回答した。「いいえ」は33.9%だった。一方、当時の起業への意識については、「起業という選択肢を全く意識していなかった」が45.2%、「少しだけ意識していた」が40.3%を占め、「かなり具体的に考えていた」は14.5%にとどまった。

現在は起業家として活動している人でも、学生時代には起業が具体的なキャリアの選択肢として十分に認識されていなかった実態がうかがえる。また、「学生時代にやっておくべきだったと感じること」では、「長期インターンや起業・副業などの実践的なビジネス経験」が64.5%で最多となった。「海外留学や旅、学外活動など視野や価値観を広げる多様な体験」が37.1%、「プログラミング、デザインなどの専門スキル・ツールの習得」が27.4%で続いた。

学生起業の壁、最多は「知識不足」

学生起業をしなかった理由を複数回答で尋ねたところ、「起業に関する知識不足」が59.7%で最も多く、「事業アイデアが定まっていない」が51.6%で続いた。「資金不足」は25.8%で、「起業家仲間がいない」が14.5%、「共同創業者がいない」が6.5%だった。

調査結果からは、学生が起業へ踏み出す際、資金面だけでなく、起業に必要な知識や事業アイデア、一緒に取り組む仲間などの不足が大きなハードルになっていることが分かる。実際に学生起業を経験した27人が感じたハードルでも、「社会的信用や経験・ノウハウの不足」が40.7%で最多となり、「チーム作り・人材採用」が25.9%で続いた。「資金繰り・開発資金の調達」は14.8%だった。

学生起業経験者の77.8%が肯定的に評価

学生起業を経験した人に、自身の経験をどう評価しているか尋ねたところ、77.8%が「起業してよかった」と回答した。内訳は「そう思う」が63.0%、「少し思う」が14.8%だった。その理由では、「若い今の時期なら、大失敗してもリカバリー可能だと感じるため」が44.4%で最も多かった。「素晴らしい仲間や投資家との出会いがあったため」が22.2%、「社会人では得られない圧倒的な成長機会があるため」が14.8%で続いた。

一方、「あまり思わない」「全く思わない」と回答した人は合わせて11.1%。自由回答では、資金不足による生活面の負担や、周囲に学生起業家が少ないことによる孤立などを挙げる声もあった。学生起業を肯定的に捉える人が多い一方で、資金や経験、人的ネットワークの不足が、起業後も課題になっていることがうかがえる。

起業未経験の学生、関心は高いが「就職」が現実的な選択肢

起業経験のない学生14人では、7割超が起業に「かなり興味がある」と回答した。ただし、現実的なキャリアとしては「起業」よりも「就職」を選ぶ回答が多く、「失敗したときのリスク」「収入の不安定さ」などへの懸念が挙げられた。挑戦したい事業領域では「生成AI領域」が最も多かった。

自由回答では、「何をしたらいいのか分からない」「スタートアップの世界には難しい言葉が多く、ついていける自信がない」といった声も寄せられた。ANOBAKAは、起業への興味があっても、知識や伴走者が不足していることが実際の行動を妨げる一因になっていると分析している。

81.6%が「今の学生は起業しやすい環境」

回答者全体では、81.6%が「今の学生は起業しやすい環境にある」と回答した。学生起業経験者では100%が同意した。一方、「大学のキャリア教育はもっと起業を推奨すべき」との意見に賛同した人は31.1%にとどまった。

起業しやすい環境を整える必要性は認識されているものの、学生全員に起業を勧めるのではなく、キャリアの選択肢の一つとして必要な情報や支援にアクセスできる環境が求められていることが読み取れる。

25歳以下対象のアクセラレーター、第2期を募集

ANOBAKAでは、25歳以下の起業家や起業家候補を対象とする「ANOBAKA U-25 AI Accelerator」を運営している。現役投資家による経営メンタリングや、採択者同士のコミュニティ、最大100万円の返済不要の資金支援などを提供し、半年間にわたって事業アイデアの検証やMVP開発、ピッチの準備などを支援する。

第1期では16人を採択し、2026年6月のデモデイでは6人が投資家の前で事業を発表した。現在は第2期の参加者を募集しており、応募締め切りは8月16日。プログラム期間は2026年9月1日から2027年2月28日までを予定している。

ANOBAKA代表取締役社長/パートナーの長野泰和氏は、今回の調査について、起業家の多くが学生時代に起業しなかったことを後から振り返っている点に注目。学生起業を妨げているのは資金だけでなく、知識や仲間の不足でもあり、VCによる伴走で支援できる領域だと説明している。

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