国土交通省は6月30日、自動運転やAIなど先進技術を活用した今後の車両安全対策の方向性をまとめた報告書を公表した。高齢者や子どもなど交通弱者を守るため、高度な運転支援機能や安全運転サポート車(Ver2.0)、通信技術(V2X)との連携を推進し、「交通事故のない社会」の実現を目指す。
報告書は、交通政策審議会自動車部会の技術安全ワーキンググループが取りまとめたもの。近年、交通事故による死者数は減少しているものの減少率は鈍化しており、自動運転やAIなどの先進技術を積極的に活用することで、安全性向上と地域の移動手段確保など社会課題の解決を両立させる方針を打ち出した。
重点施策として、AIを活用した高度な運転支援機能を備える車両の性能評価制度の創設や、安全運転サポート車(Ver2.0)の普及、道路インフラや他車両と通信するV2Xを活用した運転支援技術の開発促進を掲げた。高齢運転者による事故や交通弱者の被害軽減に加え、自動運転車の社会受容性向上や地域交通への活用も視野に入れる。
交通事故削減目標については、前回報告書の目標を維持し、2030年までに車両安全対策によって2020年比で30日以内交通事故死者数を1,200人、重傷者数を11,000人削減することを目指す。また長期的には、2035年頃までに新型車による死亡事故ゼロを目標に掲げ、より高度な運転支援技術や自動運転技術の実用化・普及を加速する考えだ。
さらに報告書では、大型車や二輪車、小型モビリティの安全対策、外国人運転者への情報提供、電気自動車・燃料電池車の安全対策、チャイルドシート性能向上なども重点項目に位置付けた。国土交通省は今後、国際基準との整合を図りながら、自動運転技術の社会実装や先進安全技術の普及を推進し、世界一安全な道路交通の実現を目指すとしている。