【New!トップページ新着コメント欄追加】 学び・つながる観光産業メディア

屋敷の林は、人々を守る~砺波平野の散居村・富山県砺波市~ニッポンを歩こう071

コメント

散居村とは、広大な耕地の中に民家が散らばって点在する集落形態を指す。富山県砺波平野は、約220k㎡、7,000戸を有する日本国内最大のものだ。

16世紀末ごろからこの地域は、庄川の氾濫に悩まされていた。そのため、平野の高い部分に民家が建てられた。そして、周辺を水田としたことに散居村は始まった。また、風雪から家屋を守るために「カイニョ」と呼ばれる屋敷林を囲った。その林は、防風効果や冬場の燃料、建築用材として利用された。栗や柿、梅などの実のなる樹木を植えることが多い。

家族に女の子が生まれると桐の木を植える。嫁入りの際には、その桐の木で箪笥を作り、嫁入り道具の一つにする。そのような風習も、屋敷林が防風だけでなく、家族の営みの好事例でもある。

さて、自然と共生するモノ・コトは、国内各地で見受けられる。その姿は、観光の上でも日本的な景観として捉えられて、旅行のコース設定においても重要なポイントとなる。先人の知恵を、私たちはしっかりと受け継ぎ、将来にバトンをつなぐことも大切なこと。そのことが、日本の良さを伝えることにつながるのだ。

(2015.05.15.撮影)

(これまでの特集記事は、こちらから) https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=8

取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長

/
/

会員登録をして記事にコメントをしてみましょう

おすすめ記事

/
/
/
/