1967年に始まった「京の冬の旅」は既に半世紀を数える日本最大の冬のイベントだ。そして、京都を日本一の大観光地に仕上げてきた仕掛けでもある。非公開の神社仏閣の拝観をはじめ、イルミネーションやライトアップ、京都ならではの「食」のプロデュースと日本全国が真似るモノ・コトが開発されてきた。
ここ東寺もさまざまな仕掛けを続けている寺院の一つである。794年に平安京が誕生すると同時に創建。正式名称を教王護国寺、真言宗の総本山だ。その中でも高さ54.8mメートルの五重塔は日本一の高さを誇る。また、境内には数多くの国宝・重要文化財が保有されている。
さて、師走の夕刻、ライトアップが行われていることを知り京都駅から歩みを進めた。池越しに映える逆さの五重塔や12月も半ばながらも赤く染まる紅葉と、素晴らしい景色が待っていた。かつて、この五重塔内陣の心柱が宙に浮いている姿を見たことがある。日本の建築技術の素晴らしさに息を飲み、感動したことを思い出した。
十人十色のニーズに応える姿勢が・・・
京都の魅力は、四季折々違った姿を見せてくれること。また、同行する人が異なると違った感覚を受けることだ。観光業とは、訪れる人、万人に感動を与える仕事だ。このライトアップを見て再認識するとともに、初心に帰って観光振興に携わっていこうと感じた一日となった。
(2020.12.11.撮影)
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取材・撮影 中村 修(なかむら・おさむ) ㈱ツーリンクス 取締役事業本部長