観光庁が6月15日に発表した「2025年度(令和7年度)主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計」によると、主要旅行会社44社・グループの総取扱額は3兆9,750億円となり、前年度比5.3%増加した。海外旅行と訪日旅行(外国人旅行)が引き続き好調に推移し、旅行市場全体の回復を支える結果となった。
特に海外旅行は前年比107.1%、訪日旅行は112.9%と高い伸びを示した。一方で国内旅行も103.5%と堅調に推移しており、旅行市場全体が拡大基調を維持している。
海外旅行は1.4兆円超 訪日旅行は2ケタ成長
分野別の取扱額を見ると、海外旅行は1兆4,309億円で前年度比107.1%、外国人旅行(インバウンド)は2,501億円で同112.9%となった。国内旅行は2兆2,939億円で同103.5%となり、全ての分野で前年を上回った。なかでも訪日旅行は4分野の中で最も高い伸び率を記録。円安や訪日需要の拡大を背景に、旅行会社によるインバウンド取扱額も大幅に増加した。
四半期別にみても、訪日旅行は第1四半期119.0%、第3四半期117.1%と高い成長率を維持しており、年間を通じて旅行需要をけん引した。
JTBが取扱額トップ HIS、阪急交通社も好調
旅行会社別では、JTBグループ(7社計)の総取扱額が1兆3,784億円で首位となり、前年度比105.1%となった。海外旅行は3,709億円、訪日旅行は1,232億円と、いずれも前年を上回った。
続いて、エイチ・アイ・エス(HIS)グループが3,819億円(前年比106.2%)、阪急交通社グループが3,709億円(同111.1%)、日本旅行グループが3,632億円(同100.7%)、KNT-CTホールディングスグループが3,515億円(同105.3%)で続いた。
上位5グループの顔ぶれは前年と変わらないものの、阪急交通社が111.1%と高い成長率を示したほか、HISも海外旅行需要の回復を背景に堅調な伸びを見せた。
募集型企画旅行は取扱人数減少
一方で、旅行商品ブランド(募集型企画旅行)の取扱状況を見ると、取扱額は1兆2,373億円で前年比102.8%と増加したものの、取扱人数は2,295万人で前年比91.9%となった。
海外旅行の募集型企画旅行は取扱額115.8%、人数111.4%と好調だった一方、国内旅行は取扱額98.5%、人数91.2%となり、単価上昇や旅行形態の多様化が影響した可能性もある。
訪日・海外需要拡大で市場回復続く
今回の統計では、海外旅行と訪日旅行が引き続き市場拡大の原動力となっていることが鮮明になった。政府は2030年に訪日客6,000万人を目標に掲げており、旅行会社各社もインバウンド対応や海外旅行商品の拡充を進めている。
総取扱額は4兆円目前まで回復しており、コロナ禍からの需要回復が本格化する中、今後は国内旅行の活性化や高付加価値旅行商品の拡充が次の成長テーマとなりそうだ。