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HIS中間決算、5期連続増収も中東情勢で減益 夏休み・SWの予約は前年超え

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エイチ・アイ・エス(HIS)は6月12日、2026年10月期第2四半期決算説明会を開催した。売上高は前年同期比6.5%増の1,931億円となり、5期連続の増収を達成した。一方で、営業利益は同4.1%減の64億円、経常利益は同9.9%減の61億円、親会社株主に帰属する中間純利益は同21.0%減の30億円となった。中東情勢の緊迫化や円安の影響により、日本発海外旅行事業が苦戦したことが利益を押し下げた。

同日に開かれた会見で澤田秀太社長は、「日本発海外旅行は3~4月の中東情勢の影響を受けたが、ホテル事業や訪日事業、法人事業が堅調に推移し、営業利益を確保することができた。現在は需要も徐々に回復し始めており、反転攻勢で市場シェア拡大を目指したい」と語った。

澤田社長
澤田社長

売上は過去最高水準 旅行事業が成長を牽引

第2四半期累計の売上高は1,931億円と前年同期から118億円増加。旅行事業が1,588億円と前年同期比93億円の増収となり、グループ全体の成長を牽引した。ホテル事業も138億円と前年同期比11.7%増となり、引き続き好調に推移した。

旅行事業では、春節期間の価格高騰や混雑を避ける買い控え、中東情勢の悪化など逆風があったものの、早期予約の取り込みや燃油サーチャージ引き上げ前の航空券需要を確実に獲得。韓国やグアムなど近距離方面が堅調だったほか、訪日旅行事業では桜シーズン需要や高付加価値商品の販売が好調だった。

また、訪日旅行事業では北米・欧州からの団体旅行が好調に推移し、3月には訪日旅行事業本部の単月売上高が過去最高を更新した。台湾や東南アジア向けのオンライン販売や日帰りバスツアーも伸長し、インバウンド需要が収益を下支えした。

中東情勢で約50億円のキャンセル 円安も利益圧迫

一方で利益面では、日本発海外旅行事業が大きな影響を受けた。営業利益は旅行事業で前年同期比8.5億円減となり、グループ全体でも減益となった。主な要因は3~4月に発生した中東情勢の緊迫化だ。欧州・エジプト・トルコ方面を中心にツアー催行中止や予約キャンセルが発生し、キャンセル売上高総額は約50億円に達した。

さらに、歴史的な円安の定着も利益を圧迫した。特に欧州方面ではユーロ高が進行し、予約時と支払時のタイムラグによって旅行原価が上昇。一時的な収益悪化要因となった。ただし、海外法人による訪日受客業務やカナダ法人の事業が堅調に推移し、減益幅を一定程度抑えた。

ホテル事業は過去最高益 訪日需要が追い風

グループを支えたのがホテル事業だ。ホテル事業の営業利益は24億円となり、前年同期比29.6%増。増益額は5.6億円に達し、旅行事業の減益を補う形となった。

国内ホテルでは旺盛な訪日需要に加え、異業種とのコラボレーション企画などが客室単価の上昇につながった。海外ホテルでは台湾が好調を維持。トルコも中東情勢の影響を受けながら黒字を継続しており、利益面で大きく貢献した。

九州産交グループも好調だった。売上高は136億円、営業利益は6億円となり、それぞれ前年同期を上回った。熊本県へのTSMC進出による経済効果や観光需要の取り込みが追い風となり、空港リムジンバスや飲食・物販事業が伸長した。

夏休み・シルバーウィーク予約は前年超え

質疑応答では、中東情勢の影響と今後の予約動向について質問が相次いだ。澤田社長は、日本人海外旅行の新規予約ペースは足元で前年をやや下回っていると話しながらも、「夏休みやシルバーウィークの予約は好調に推移している」と説明。第4四半期の取扱高は前年同日比で約120%を確保していることを明らかにした。

また、3~4月に発生したキャンセルについても「現在はほぼ沈静化しており、大きなキャンセルが発生する状況ではない」との認識を示した。

中東情勢については依然として不透明感が残るものの、「外部環境に左右されない商品開発や仕入れ強化を進めるとともに、必要に応じて経費削減などの対応も行う。現在の業績予想の範囲内で対応可能と考えている」と述べた。

グアムリーフホテルで特損計上 将来負担軽減へ

HISは同日、グアムリーフホテルに関する特別損失の計上も発表した。同ホテルは2069年までの長期土地リース契約を結んでいたが、観光需要低迷により当初想定した収益確保が難しい状況となっていた。今後必要となる大規模設備投資や長期賃料負担、将来的な減損リスクを回避するため、土地を取得したうえでリース契約を中途解約する方針を決定。これに伴い約60億円の特別損失を計上する。

同社は通期業績予想も修正したが、本業である旅行・ホテル事業については需要回復を前提に事業拡大を進める方針を維持している。中東情勢という外部環境リスクを抱えながらも、訪日需要やホテル事業の好調さを背景に、下期の巻き返しを目指す構えだ。

HISは通期業績予想について、売上高4,200億円、営業利益140億円、経常利益125億円、親会社株主に帰属する当期純利益30億円を見込んでいる。上期は中東情勢による約50億円規模のキャンセルや円安の影響を受けたものの、訪日旅行やホテル事業の好調を背景に通期計画は据え置いた。澤田秀太社長は「夏休みやシルバーウィークの予約は前年を上回って推移している。下期は反転攻勢をかけ、市場シェアの拡大を目指したい」と述べた。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

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