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訪日客5月356万人、中国市場減少も影響限定的 観光庁・村田長官が評価 

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観光庁の村田茂樹長官は6月19日の定例会見で、2026年5月の訪日外国人旅行者数やアウトバウンド促進策、オーバーツーリズム対策、民泊問題への対応などについて説明した。5月の訪日外国人旅行者数は356万人となり前年同月比3.6%減となったものの、19の国・地域で5月として過去最高を記録。村田長官は「インバウンド市場の多様化が進んでいる」との認識を示し、2030年の訪日6,000万人、消費額15兆円に向けた取り組みを強化する考えを示した。

中国減少で前年割れも、19市場で過去最高

5月の訪日外国人旅行者数は約356万人となり、前年同月比では3.6%減少した。一方で23の国・地域のうち19市場で5月として過去最高を記録し、インドや中東地域では単月ベースでも過去最高となった。

村田長官は「短期的にはさまざまな要因で変動するため、中長期的な傾向を見ることが重要」と説明。今年1~5月累計では前年同期とほぼ同水準で推移していることを挙げ、「全体として好調な状況が維持されている」と評価した。

また、中国市場の減少が全体数を押し下げたことを認めながらも、「中国の減少幅が大きい中で全体の減少が3.6%にとどまっていることは、その他の国・地域が非常に好調であることの表れ」と述べた。

インバウンド市場の多様化を重視

会見では市場の多様化についても言及した。

村田長官は、宿泊旅行統計調査でも東南アジアやインド、中東などからの宿泊者数が増加していることに触れ、「観光地や観光産業の強靱性を高めるためには、特定市場に依存しない多様なインバウンド市場の形成が重要」と強調した。

3月に閣議決定された第5次観光立国推進基本計画でも、市場や観光コンテンツの多様化を重点施策に位置付けていると説明。今後は歴史、文化、自然、食など地域資源を活用した高付加価値コンテンツの造成や、多様な国・地域へのプロモーションを強化していく考えを示した。

2030年アウトバウンド2,000万人へ官民連携

日本人の海外旅行については、5月の出国日本人数が約113万人となり前年同月比4.7%増加した。

観光庁は前日、外務省、日本旅行業協会(JATA)、在日外国政府観光局協議会(ANTOR-JAPAN)と共同記者会見を開催し、2030年に海外旅行者数2,000万人を目指す方針を改めて打ち出した。

村田長官は「第五次観光立国推進基本計画ではアウトバウンド拡大を三本柱の一つに位置付けている」と説明。7月から旅券申請手数料が引き下げられることについても、「海外旅行の促進を後押しする施策になる」と期待を示した。

国際観光旅客税引き上げで観光予算を強化

7月から国際観光旅客税が1,000円から3,000円へ引き上げられることについては、「インバウンド6,000万人・消費額15兆円の実現に向けた課題解決に必要な財源を確保できる」と意義を強調した。

これにより、旅客税を財源とする予算は前年度の約490億円から約1,300億円へ拡大。オーバーツーリズム対策や地方分散、交通ネットワーク機能強化、観光コンテンツ造成、戦略的な訪日プロモーションなどを強化する方針だ。

一方、税率引き上げ前の駆け込み需要については「現時点では特段確認されていない」と説明した。

民泊規制見直しへ 住宅地のトラブルに対応

会見では民泊問題も大きなテーマとなった。

観光庁は今月中にも自治体向けの技術的助言を発出し、住宅地や教育施設周辺などで条例による民泊営業制限を可能とする方向で検討を進めている。いわゆる「0日規制」を含めた立地規制も対象となる。

村田長官は「民泊法施行から7年が経過し、騒音やごみ問題など様々な課題が顕在化している」と説明。全国的に苦情が増加している現状を踏まえ、「地域の実情に応じた適切な対応が必要」との考えを示した。

また、騒音計や監視カメラの設置を事業者に義務付けることが条例で可能であることも自治体へ周知する方向だという。

Booking.comのフィッシング問題にも言及

村田長官は、旅行予約サイトを装ったフィッシング詐欺への注意喚起も行った。

観光庁によると、宿泊施設や予約サイトを装い、クレジットカード情報の入力を求める不審メッセージが確認されている。特にBooking.com関連の事案が多いとして、同社に対して原因究明や利用者への周知徹底を求めていることを明らかにした。

「疑わしいメッセージを受け取った場合はリンクをクリックせず、公式窓口へ確認してほしい」と利用者へ呼びかけた。

就任1年「観光政策の大きな節目」

就任からまもなく1年を迎えることについて村田長官は、「昨年は訪日客数、訪日消費額とも過去最高を更新し、今年も高水準を維持している」と振り返った。

さらに、「第五次観光立国推進基本計画の策定と国際観光旅客税の引き上げが実現したことは、観光政策にとって大きな節目だった」と総括。今後も地方誘客や高付加価値化、アウトバウンド促進、市場の多様化を進めながら、持続可能な観光立国の実現を目指していく考えを示した。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

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