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菖蒲祭りで日暈に気づく、東村山市から東大和市へ

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どこかで見たポスターで、「東村山菖蒲祭り」を知ったのは祭り最終日、6月14日の前日だった。デジタル全盛で情報はインターネットからという時代だけど、大きなポスターっていい。ポスターがいいという話しは、また別の機会に。

6月14日朝、ワールドカップサッカーをDAZNで見てから出かけた。会場の最寄駅は西武新宿線の東村山駅。この駅で下車したなら、まずは東口の志村けんの銅像にあいさつする。2020年にコロナに倒れてから、もう6年が過ぎた。

菖蒲祭り会場の北山公園に行く前に、徒歩10分ほどの正福寺地蔵堂に寄った。駅からは北山公園の途中と言ってもいい。旅行作家の野口冬人さんの墓参りで、ずいぶん前に正福寺に行ったときに、墓地の脇に建つ、どこにでもあるように見える地蔵堂が国宝だと、案内板で知った。

地蔵堂

地蔵堂は年に3日だけ内部が公開され、毎年、菖蒲祭り最終日がそれにあたると知って訪ねることにした。地蔵堂には東村山郷土研究会のボランティアガイドが待機していて、声をかけると気軽に案内してくれた。

都内唯一の国宝木造建造物

地蔵堂は室町時代の建物で、1929年に国宝に指定された。国宝指定後の解体修理の際、垂木の墨書が見つかり、室町時代の1407年の建立が確認された。

国宝の建造物は全国に233件・303棟あって、最多は京都府の54件・81棟、奈良県が64件・71棟と多い。東京にある国宝の建造物は地蔵堂と赤坂迎賓館の2棟だけ。木造建造物では唯一だそう。

多くの震災や大火、空襲に見舞われた東京で、室町時代の木造建造物が残っているのは奇跡的なのかもしれない。17世紀に建造された芝・増上寺の三門や浅草寺の二天門は国の重要文化財に指定されている。

堂内は20畳ほどの広さで、中央に地蔵菩薩立像が祀られている。お堂ほど古くはないそう。お参りをしてから、立像の周りを1周して、外に出た。お堂にいたのは5分ほどだろうか。

菖蒲の上空に日暈がかかる

せっかく来たし、野口さんのお墓にも手を合わせようと思ったけど、1度お参りしただけのお墓が見つかるはずもなく、墓地の中央で四方に手を合わせて正福寺を後にした。

菖蒲祭り会場の北山公園へは、ここから10分ほどだった。多摩湖(村山貯水池)を水源とする北川と西武園線に挟まれた、少し細長い形の広々とした公園で、菖蒲田に咲く花はまだ最盛期だった。

ここには600種の菖蒲が8,000株、10万本の花が咲いているということだった。なかなかの眺めだった。

一生懸命写真を撮って、基本的にどこかに掲載する目的で写真を撮るときは、わざと人が映り込むようにする。手前の花をぼかしてみたり、奥の人をぼかしてみたり。

下ばかり見ていて、どうして気づけたのか分からないけど、薄曇りの太陽を見上げると、太陽の周りにかかる虹「日暈」(ひがさ)ができていて得した気分だった。英語では「ハロー(halo)」と呼ばれる。

八国山緑地

ほかに空を見上げている人はいない。誰かに教えたくなったけど、教えたくなる人は近くにいなかった。祭り期間中は屋台が出ていて、東村山名物だというイカ墨で色を付け、オイスターソースで炒めた黒焼きそばと生ビールを注文した。

八国山は七国山のモデルと知って

線路を挟んで連なる低い丘陵は「八国山(はちこくやま)緑地」というそうだ。映画「となりのトトロ」に出てくる七国山(しちこくやま)のモデルと教えられると、ジブリファンとしては、気分が盛り上がる。

多摩湖

少しでも歩いてみようと線路沿いを歩きながら、いっそ多摩湖まで行くことを思いついた。このあたりは初めて来たけど、多摩湖には土地勘もある。どんな景色が待っているかも知っている。

八国山緑地の端をほんの少しかすめ、西武園駅のそばを抜けて、少し坂を登ると、20分ほどで多摩湖の堤防に着いた。

多摩湖からたっちゃん池へ

堤防から西を見ると、多摩湖を2つに分けている中央の堤防、それから西武球場のドーム状の屋根が見えるほか、大きな人工構造物がほとんど目に入らないのがいい。

たっちゃん池

隣の狭山湖の堤防からは、湖と森と奥に奥多摩の山々が見えるだけで、さらにいい。前に堤防でワインを飲みながら、夕焼けを見ていたら、低空を飛行機が横切って行った。「紅の豚」の挿入歌、「さくらんぼの実る頃」のメロディーを口ずさんだ。

多摩湖の堤防を渡りきると都立狭山公園に出る。今は、すごくよく整備されている。「たっちゃん池」を説明する案内板まであった。小学生のころから「たっちゃん池」と呼ばれていた。たっちゃんという男の子が、この池で溺れて亡くなったと。

当時は案内板なんてなかったけど、このあたりが遊び場だったすべての男子が、口伝えでその名前を知っていた。危ないから近づいてはいけない池だった。案内板が整備され、たっちゃんは地元の子どもたちだけが知っている名前ではなくなった。

ここから坂を下って西武多摩湖線武蔵大和駅までは10分ほどだった。

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