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リリース、あったらいいな (上) 過不足ない情報提供が記事への早道

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都道府県の観光担当者や旅館・ホテル、交通機関、観光イベント団体などから毎日たくさんのニュースリリース(以下リリース)が届く。どれを取り上げようかと迷うほどだ。では、何が記事化され掲載されやすいのか。リリースのポイントを2回にわたりまとめてみたい。

私は新聞、月刊誌、週刊誌、そしてウェブサイトの編集を通じ、40年近くリリースに目を通してきた。現在は新聞や雑誌の紙媒体よりもWebやインフルエンサーを対象とした情報発信が目立つが、リリースのまとめ方は基本的に変わらないと思う。

まず、最初のテーマとして、「過不足なく情報を盛り込む」を、お伝えしたい。古い話だが、新聞の経済部記者だったころは、広報担当が記者クラブに来て、紙のリリースを配布するのが常だった。建設省(現・国土交通省)を担当していた際、目にしたあるゼネコンのリリースは、A4の用紙の1枚目に、そのゼネコンが江戸時代の宮大工に端を発し発展してきた経緯が書かれていた。2枚目からが肝心の新しい施工方法の紹介だった。

記者クラブに殺到する情報、目を通すのは一件1分

30代で生意気ざかりだった私はそのゼネコンの担当者に「1枚目は全く不要」と伝えた。というのも、毎日、建設会社や不動産会社、マンション業者に加え、建設省から提供されるリリースが合計20件以上配られるので、一通り目を通し、極論すれば1分程度でどれを取り上げられるかを判断しなければならない。

そのため、いわゆる5W1H、「When(いつ)・Where(どこで)・Who(誰が)・What(何を)・Why(なぜ)・How(どのように)」という文章を作るうえでの6つの要素がコンパクトに盛り込まれていなければ、リリースは即ゴミ箱行きになる。このゼネコンに限らない。農産物関連のリリースなどでは、その食材の栄養的価値などの一般論が書かれており、文章を追っていくとその土地の野菜や果物のうまさ、生産量などにたどり着く。温泉関連では、これまた一般的温泉論が最初に来て、その後にその温泉の効用や温泉旅館の施設や食事など、読者・閲覧者が知りたい情報が掲載されているという具合である。知りたいことが後ろに書いてある。

一方、必要な情報を欠いている場合は、もっとやっかいだ。前述の5W1Hが盛り込まれていない。さらにイベントでは入場料や目標入場者数のないことすらある。イベント参加する側にとっても、入場料は外せない情報だ。この点を尋ねると、入場料がなかなか決定しなかったため、公表が遅れたというのだ。毎年行っているイベントで、昨年の入場料が2000円なら、今年が1万円になったり、500円に引き下げられたりすることはないだろう。その場合は、「入場料は近く決定します。お問い合わせください」と書くか、参考価格として昨年は2000円と書いておけばよい。

最近の傾向として不便に感じるのは、リリースに記載されている情報が不足していて、詳しくはリリースに記載されているQRコードやインスタグラムなどを見てほしいというケースだ。リリース本体で情報が完結していると記事化の時間が短縮できる。

また、追加情報や画像が欲しい場合、メールや電話で問い合わせをしなくてはならないのは困る。まして、連絡してから回答をいただくのに何日もかかると記事化が遅れてくれてしまう。次回は「業界用語や誇張表現は避ける」について記す。

とはいっても、関係する皆様からの情報提供がないと、記事は作れませんので感謝しています。メディア側からの一方的な見方をお伝えしました。読者のご意見をいただければ幸いです。

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