シンガポールのEVONET Global Pte., Ltd.(以下、EVONET)は、日本のKDDIおよび中国のTenpay Payment Technology Co., Ltd.(深圳市)と連携し、モバイルウォレットの国際相互接続サービスを開始したと発表した。第一弾として、中国本土の14億人以上のWeChatユーザーが、日本全国のau PAY加盟店で支払いが可能となる。
この新サービスでは、訪日中国人観光客がスマホのWeChatアプリを使い、支払い時に店舗側に提示されたQRコードをスキャンするMPM方式により、日本円での支払いをそのまま完了できる。言語や通貨の壁を意識することなく、スマホひとつで買い物が完結する点が特長だ。
KDDIにとって、au PAYの加盟店ネットワークを海外モバイルウォレットユーザーに開放するのは今回が初めて。加盟店側は特別な機器導入やシステム改修を必要とせず、既存のau PAYインフラをそのまま活用できるため、インバウンド対応の手間が大幅に軽減される。
EVONETは、アジアの他地域のモバイルウォレット事業者との連携も進め、接続ネットワークの拡大を目指す。また、現在対応しているMPM方式に加え、ユーザーが提示したQRコードを店舗側が読み取るCPM方式への対応も計画しており、利用シーンに応じた柔軟な決済手段の提供を視野に入れている。
将来的には、日本のモバイルウォレットユーザーが海外店舗で自国アプリをそのまま使えるようにする構想も進められており、EVONETは「世界中で使える決済の共通基盤」を目指すとしている。
EVONETは、上海のShanghai CardInfoLink Data Service Co., LTDと日本のTIS株式会社の共同企画によって設立されたネットワーク事業者。コード決済ウォレットと加盟店事業者間の接続に加え、資金精算や為替換算も担い、クロスボーダーでのコード決済、送金、チャージといったサービス提供を進めている。
今回の取り組みにより、日本国内のau PAY加盟店は、増加が見込まれる訪日外国人観光客の新たなニーズに対応しやすくなると見られる。
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