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JTB、2026年3月期は増収増益 グローバル旅行成長で3期連続1兆超え

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JTBは5月29日、202026年3月期連結決算を発表した。売上高は前期比106%の1兆1,333億円で、3年連続で1兆円を突破。営業利益は145億円、経常利益は173億円、当期純利益は121億円となり、増収増益を達成した。営業利益は計画値120億円を25億円上回った。

同社は2025年度を「2035年に向けた成長基盤構築の1年」と位置づけ、グローバル事業への投資、人材投資、システム投資などを積極的に実施。長期ビジョン「OPEN FRONTIER 2035」の実現に向けた変革を本格化させた。

訪日・第三国間旅行が伸長 「グローバル旅行」が成長牽引

2025年度は世界的人流回復を背景に、訪日旅行や第三国間旅行が大きく伸長した。

旅⾏セグメント売上高は8,725億円で、全体の77%を占めた。内訳では、国内旅行4,246億円、海外旅行2,439億円、訪日旅行752億円、第三国間旅行1,286億円となった。特に訪日旅行は前年比121%、第三国間旅行は115%と二桁成長を記録。JTBでは両領域を「グローバル旅行」と位置づけ、世界的人流拡大を背景に成長分野として強化している。

山北栄二郎社長は会見で、「訪日客数は初めて4,000万人を超え、日本の魅力を伝える高付加価値型ツアーやコンテンツ、国際イベントの取り扱いが拡大した」と説明した。また、第三国間旅行では、東南アジア発ヨーロッパ行き需要などが伸長。中国市場については、日本向け需要は減少影響を受けている一方、中国人旅行者自体の海外旅行需要は維持されており、「第三国間旅行に振り替わっている」と分析した。

MLB・欧州・教育旅行が好調 「目的型旅行」が存在感

海外旅行では、MLB観戦需要が好調だった。特にアメリカ西海岸方面への旅行商品が伸長し、添乗員付き欧州旅行も需要を拡大した。

同社は今回の旅行需要について、「価格に左右されにくい目的型需要」が特徴だと説明。燃油サーチャージや物価高の影響がある中でも、MLB観戦など“目的消費型”の高付加価値旅行が全体を支えた形だ。山北社長は、「価格帯が高くても、目的型の旅行は動きが活発だった。富裕層だけではなく、価格変動の影響を受けにくい層が大きい」と述べた。

教育旅行も回復基調が続いた。国際理解や多文化理解へのニーズが高まる中、学校現場で教育旅行の価値が再評価されているという。一方、国内旅行については前年比97%とやや減少。宿泊価格高騰やインバウンド増加による供給不足が影響した。ただし、同社では「旅行需要自体はおう盛」と話す。

MICE・万博関連が拡大 “旅⾏外”売上は23%に

旅行外セグメントも拡大した。売上高は2,608億円で、全体の23%を占めた。MICE事業は860億円、その他事業は1,748億円となった。MICE・その他事業ともに前年比109%と高い伸びを記録。企業イベント需要の回復に加え、大阪・関西万博関連業務が業績を押し上げた。

同社は万博関連で、「パビリオン運営業務」「各種催事運営業務」「要人対応業務」「情報サイト運営」「ナイトコンテンツ造成」など幅広い領域を担当。単なる旅行会社ではなく、「交流創造事業」への転換を加速している姿勢を鮮明にした。山北社長は、「大阪・関西万博は、旅⾏以外のビジネスを創出した非常に大きな成果だった」と強調した。

今後は、2026年アジア競技大会や「GREEN×EXPO 2027(横浜花博)」など大型イベントにも関与していく方針を示した。

決算会見の様子
決算会見の様子

「OPEN FRONTIER 2035」始動 AI・M&A・人材投資を加速

JTBは長期ビジョン「OPEN FRONTIER 2035」を掲げ、「新交流時代のフロンティア企業」を目指す。2035年に向け、グローバル売上比率50%、ストック型収益30%などを目標に掲げている。

その実現に向け、2025年度は大型投資を進めた。主なM&Aでは、①北米BtoB旅行メディア大手「Northstar Travel Group」②米イベント制作会社「Imprint Events Group」③人流分析会社「ナイトレイ」―を買収。

特にナイトレイ買収では、訪日客を含む人流データ分析力を強化し、自治体やDMO向け提案力を高める狙いがある。近年、観光分野でもデータ分析需要が高まる中、JTBは「交流創造×データ」の融合を進める構えだ。

AI活用も重要テーマに位置付けた。山北社長は、「AIが生活に溶け込み、利便性や効率性が高まる一方、リアルな交流価値はさらに高まる」と説明。AI活用による効率化と、“人による交流価値”の両立を進める考えを示した。

また、人材投資として賃上げやキャリア形成支援、グローバル人材育成を推進。IT、AI、法務、デザイン分野で高度専門職採用も強化した。

2026年度は売上高1兆2,450億円を計画

2026年度通期見通しについては、売上高1兆2,450億円、営業利益165億円を計画した。ただし、中東情勢による欧州路線への影響や燃油価格高騰など不透明要因もある。特に中東経由便の減便による欧州需要への影響は出始めているという。一方で、アジア・オーストラリア方面への需要シフトが進んでおり、現時点では業績見通しを変更していない。

JTBは、コロナ禍からの回復フェーズを経て、旅行会社から「交流創造企業」への転換を本格化させている。グローバル、MICE、データ、人材、AI。旅行産業を取り巻く環境が大きく変化する中、旅の先を見据えた成長戦略が問われる局面に入ったといえる。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

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