スマートフォンが広く行き渡るようになると、今度はスマートフォンを通じてAI(人工知能)を使う人も増えました。さまざまなAIは、聞けばさも自分の友人やパートナーであるかの如く、自然で柔らかい回答を私たちに返してくれます。「AIがこう言っていた」という会話が私たちも日常で増えています。
AIは情報を集約分析する能力に長けている一方、使う人の指示(コマンド)により回答が左右される面もあり、常に完全無欠な回答を返す訳ではない点には気を付けたいところです。SNSと同様で、過度な利用の依存があると、AIの回答の中に情報選択の誤りがあることに気付けなります。
最近では、プロ野球、巨人の阿部慎之助監督が家庭内の問題で急きょ辞任(5月26日)した一件があります。辞任に至った原因として、家族によるAI活用の誤りが注目されています。
AIも医療や福祉といった情報も精度高く情報の提供が出来る一方、実際の相対での面談や聞き取りをAIと交わす訳でもないので、AIから提供される内容は過信できないことを示す結果になったのでしょうか。
話を戻すと、加齢に伴い社会との接点がゆるやかに狭まっていく私たちは、やはり多くの情報を判断する「軸」が少なくなってしまいます。旅行でAIを活用した案内を受ける人も多くなり、中にはAIの必ずしも最新正確とは言えない情報に振り回されてしまう人もいるようです。高齢者の「良き話し相手」になり始めたAIは、他方で自分自身での事実確認がしにくいという欠点もあります。とは言え、それが人間であっても誰もが最新正確な情報を提供し続けられないわけですし、時には間違えます。それは多様な人々とのコミュニケーションによって補われていくものと考えます。
迷うなら「AIを捨て、街に出よ」という気構えも時には必要なのではないでしょうか。
寄稿者 猪股透人(いのまた・はやと)シーキューブ㈱ https://c-cube.life/