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有働由美子氏×水嶋次官、「誰に伝えるかが重要」 国交省で情報発信を語る

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国土交通省は6月8日、「第2回 はたらくをアップデートするオープントークセッション」を開催し、フリーアナウンサーの有働由美子氏と、水嶋智国土交通事務次官による対談を行った。テーマは「メディアから見た国土交通省や情報発信のあり方」。会場・オンライン合わせて多くの職員が参加し、“伝わる行政”や組織改革について議論した。

同セッションは、国交省が進める組織変革の一環として開催している省内勉強会。有働氏は、社会資本整備審議会・交通政策審議会委員も務めており、メディア視点から行政の情報発信について率直な意見を語った。

「誰に届けたいのか」を明確に

冒頭、水嶋次官は、「国交省は非常に幅広い分野を担当しており、専門性も高い。そのため、どうしても制度や事業中心の説明になりやすい」と説明。その上で、「政策そのものだけでなく、“それが生活者にどう関係するのか”まで伝えていく必要がある」と問題意識を示した。

これに対し、有働氏は、「マスメディアは“聞きたい人”だけに向けて発信しているわけではない」とした上で、「伝えたいことを、関心のない人にどう届けるかが重要」と指摘した。

具体例として、国交省ホームページの「大臣が高速道路建設協議会総会に出席」といった見出しに触れ、「これは誰に伝えたいのか分かりづらい」とコメント。「一般の人に届けたいなら、“生活にどう関係するのか”が見えるタイトルにした方がいい」と提案した。

また、「“皆さんに分かりやすく”という表現は、結果として誰にも刺さらないことがある」とし、「ターゲットを絞ることで、言葉も選びやすくなる」と語った。

「国交省は生活に最も近い省庁」

有働氏は、国交省について「国民生活に最も近い省庁の一つ」と評価。「道路、川、高速道路など、現場を持っている。人々を引き込める素材はたくさんある」と述べた。

一方で、「公的文書になると急に遠くなる」とも指摘。「説明は非常に丁寧だが、その丁寧さが“読み手の負担”になっている部分もある」とし、行政独特の硬い表現や長い資料についても率直な意見を語った。

これに対し、水嶋次官は、「従来型の行政広報だけでは、なかなか届きにくい時代になっている」と認識を示し、「若手職員も含め、自分たちの仕事を自分の言葉で発信していく文化を育てたい」と説明した。

また、働き方改革の一環として、事前説明の動画化や資料簡素化なども進めていることを紹介。「前例踏襲だけではなく、本当に必要な業務へ時間を使える組織へ変えていく必要がある」と述べた。

「炎上を恐れすぎない」発信も必要

質疑応答では、行政機関が“炎上”や批判を恐れて発信を控えがちな点についても話題となった。

有働氏は、「伝えたい人に届くことを優先した方がいい」とした上で、「タイミングを見極めることが重要」と説明。災害やインフラ事故など、人々の関心が高まる瞬間こそ情報発信の機会になるとの考えを示した。

さらに、「国交省にも“スター職員”がいていい」と提案。「MLBを見ない人でも大谷翔平選手を見るのと同じで、“あの人が言っているから見る”という存在は強い」と述べ、SNS時代における“顔の見える発信”の重要性にも言及した。

「組織に慣れすぎる怖さもある」

対談終盤では、有働氏自身のキャリア観にも話が及んだ。NHK退職の理由について、有働氏は「自分の思考が“NHK仕様”になっていることに気づき、怖くなった」と回顧。「どうせ無理だろうと、自分でブレーキをかけていた部分があった」と振り返った。

その上で、「どんな仕事でも、自分なりの“面白さ”を探すことが大切」とし、「誰かが面白くしてくれるのを待つのではなく、自分で見つけることが大事」と参加者へメッセージを送った。

最後に、水嶋次官は、「国交省の仕事には、暮らしや地域を支える面白さがある。それをどう社会へ伝えていくかが今後ますます重要になる」と述べ、組織変革と情報発信強化を両輪で進めていく考えを示した。

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