国土交通省が6月17日に発表した「鉄道輸送統計月報(2026年3月分)」によると、鉄道・軌道の旅客輸送量は前年同月比2.9%増の19億9,473万人となった。旅客人キロも同3.4%増の343億人キロとなり、旅客需要の回復基調が続いている。
鉄道貨物輸送は貨物数量が前年同月比2.6%増の346万トンとなったものの、貨物トンキロは同1.5%減の17億トンキロとなり、輸送距離の短縮などが影響したとみられる。
新幹線は6.5%増 JR・民鉄とも利用拡大
旅客輸送の内訳を見ると、JR旅客会社の旅客数量は7億4,038万人で前年同月比2.3%増、旅客人キロは216億人キロで同3.5%増となった。
特に新幹線利用は好調で、旅客数量は3,489万人と前年同月比6.5%増、旅客人キロも85億人キロで同6.0%増となった。春休みや観光需要、ビジネス需要の回復が追い風となったとみられる。
民鉄(JR以外)も堅調に推移し、旅客数量は12億5,435万人で前年同月比3.3%増、旅客人キロは126億人キロで同3.3%増となった。
月間利用者数は20億人目前
旅客数量の総合計は19億9,473万人となり、20億人に迫る水準となった。
統計資料の推移グラフを見ると、2025年度を通じて旅客数量は概ね19億~21億人台で推移しており、コロナ禍からの回復後も安定した利用状況が続いている。特に2026年3月は前月を上回る水準となり、年度末需要も寄与したとみられる。
貨物は346万トン 車扱貨物が伸長
鉄道貨物輸送では、貨物数量総合計が346万トンで前年同月比2.6%増となった。
内訳では、コンテナ貨物が194万トンで同2.3%減となった一方、石油や化学品などを中心とする車扱貨物は151万トンで同9.8%増と大きく伸びた。ただし、貨物トンキロではコンテナが15億2,267万トンキロで同1.6%減、車扱貨物も1億3,152万トンキロで同0.6%減となり、総合計では16億5,419万トンキロで前年同月比1.5%減となった。
旅客需要は堅調、貨物は輸送効率が課題
今回の統計では、旅客輸送がJR・民鉄ともに前年を上回り、特に新幹線利用の伸びが目立った。一方、貨物輸送は数量ベースでは増加したものの、輸送距離を加味したトンキロでは減少しており、輸送効率や物流動向の変化がうかがえる結果となった。
鉄道業界ではインバウンド需要の拡大や国内旅行需要の回復が続く一方、物流分野では2024年問題以降のモーダルシフト推進が重要課題となっており、今後の貨物輸送動向にも注目が集まりそうだ。