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JATAが第70回定時総会 髙橋会長「双方向交流の強化を」 原優二氏が新会長に就任

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日本旅行業協会(JATA)は6月17日、東京都千代田区の経団連会館で第70回定時総会を開催し、2025年度事業報告・決算を承認したほか、役員改選を実施し、新会長に風の旅行社会長の原優二氏を選任した。総会では、好調なインバウンド需要を追い風としながらも、回復が遅れる日本人海外旅行の拡大や旅行需要の平準化、人材確保など今後の課題が共有された。

髙橋会長「双方向交流なくして観光立国はない」

冒頭あいさつした髙橋広行会長は、2025年の訪日外国人旅行者数が4,268万人を超え、2年連続で過去最高を更新したことに触れ、「国内旅行も堅調に推移し、地域経済を支える重要な柱となっている」と評価した。

一方で、日本人出国者数は1,473万人にとどまり、コロナ前の水準には届いていないと指摘。「訪日旅行が力強く伸びている今だからこそ、インバウンドとアウトバウンドのバランスの取れた発展、すなわち双方向交流の強化が観光立国日本にとって不可欠だ」と強調した。

また、今年3月に閣議決定された第5次観光立国推進基本計画について、「JATAが要望してきた内容が数多く盛り込まれた」と評価。JNTO機能を活用したアウトバウンド促進や相互交流キャンペーン強化などを通じ、「真に均衡の取れた国際交流を実現したい」と語った。

ラーケーションとシニア旅行に期待

髙橋会長は、旅行需要平準化策として基本計画に盛り込まれたラーケーションにも期待を示した。「平日に家族で学び、地域に触れ、旅を通じて子どもの視野を広げる。日本人の休み方や学び方を変える大きな契機になる」と述べ、オーバーツーリズム対策にもつながる取り組みとの認識を示した。

さらにユニバーサルツーリズムについても、「人生100年時代を迎え、高齢者が安心して旅に出られる環境整備は重要なテーマ」と指摘。国内旅行だけでなく海外旅行活性化の観点からも必要性を訴えた。

7月から実施される10年旅券オンライン申請手数料の引き下げについて、「パスポートを持つ人が増えることは将来の渡航者数増加につながる。海外旅行への第一歩を後押しする施策だ」と歓迎した。

中東情勢や資金繰りへの懸念も

一方で足元の課題として、中東情勢の緊迫化による旅行需要への影響にも言及。「会員向け調査でも夏以降の海外旅行や訪日旅行に慎重な見方が多く、資金繰りに不安を抱える会員会社も少なくない」と述べた。

その上で、「旅行業は平和や安全、航空路線、為替、燃油価格など外部環境に大きく左右される産業」とし、需要喚起策や資金繰り支援について引き続き関係省庁へ要望していく考えを示した。

観光庁「2030年海外旅行2,000万人へ」

来賓として出席した観光庁の木村典央次長は、2030年の訪日客6,000万人、消費額15兆円という政府目標に触れ、「オーバーツーリズム対策や地方誘客を進めながら観光立国を実現していく」と述べた。日本人海外旅行についても「年間2,000万人という目標達成に向けて取り組みを強化していく」と語った。

原優二氏が新会長に就任

総会では役員改選も行われ、新会長に風の旅行社会長の原優二氏が選任された。副会長には酒井淳氏(阪急交通社会長)、山北栄二郎氏(JTB社長)、吉田圭吾氏(日本旅行社長)が就任した。

総会後の懇親会で原新会長は、「旅行産業は生産性が低い、低賃金、長時間労働と言われてきたが、その評価に甘んじているわけにはいかない」と述べ、「旅行商品の高付加価値化、生産性向上、働き方改革を進め、やりがいと働きがいのある産業へ変革していく」と決意を語った。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

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