日本旅行業協会(JATA)は、全国10大学・1,362人の大学生を対象に「Z世代の大学生海外旅行意識調査」を実施した。JATAアドバイザーでもある東洋大学国際観光学部の越智良典客員教授が監修、設問を作成 した。
調査からは、全体の約8割が「海外旅行に行きたい」と回答。海外旅行経験率は平均約5割(首都圏7割、愛知6割と地域差あり)だった。旅行経験と今後の旅行意向には強い相関が見られた。海外旅行経験がある人は今後も行きたいとの回答割合が大きかった。最初の渡航ハードルをいかに超えるかが課題となっている。
旅行費用は「アルバイトで稼ぐ」が84%と突出していた。予算20万円以上が4割 だった。1か月のアルバイトで10万円を目安に計画を立てるとの回答もあった。行きたい国・地域は①ヨーロッパ②韓国③アメリカ④ハワイ⑤台湾が上位。費用面からヨーロッパを諦め、アジアへ切り替えることを検討する声もあったという。
海外旅行経験者のうち、高校時代などの海外修学旅行や語学研修の経験者は34%で、この体験が安全面や手続き面の不安を低減し、その後の海外旅行意欲へつなげるきっかけとなっている。海外教育旅行の活用は質的・量的に非常に有効であると考えられる。このことから、 JATA としては昨年来、学校教育における海外交流プログラム必修化の検討、海外留学・研修等への公的支援拡充を国に要望している。
AIの利用経験は「よく」「時々」を合わせると55%
旅行計画にAIを利用する学生は「よく」「時々」を合わせて55%。75%がAIの利用に肯定的で、「お薦めスポット」「予算に合わせた日程」「モデルコース」の提案を期待している。
旅行スタイルの不安要素のトップ3は「治安・安全」「衛生」「物価」。行きたい理由は「景色」「食事」「その国を知りたい」が上位で、「インスタ映え」などの SNS 投稿目的であるとした割合は低かった。日常的にSNSで投稿・共有を行うZ世代にとって、旅そのものの体験や安全・安心、コスパの良さが重視していることが分かった。
調査結果により、自宅から通学しアルバイトをして海外旅行を楽しむ大学生のマーケットが全国に確実に見られることが明らかになった。 また、情報収集や予約方法、旅行動機にはZ世代独特の傾向が見られる。現在、航空会社や旅行会社にはコロナ禍以降多くのZ世代(大学生)が入社しており、今こそ「Z世 代によるZ世代のための海外旅行」を企画・提案する絶好のタイミングであると分析している。
JATA では会員会社、航空会社、空港会社などと連携して展開する海外旅行拡大プロジェクト「もっと!海外へ」に加え、一般社団法人渋谷未来デザインとの連携で若者の海外渡航を促進する「GO GLOBAL PROJECT」を通して、日本の若者の海外旅行を後押ししていくとしている。9月24日~27日に開催する「ツーリズムEXPOジャパン2026」では、一般日の9/26~27は学生の入場を無料(来場登録と当日学生証提示)とする(前売1200円/当日1500 円)。
政府は「第5次観光立国推進基本計画」でアウトバウンド拡大を新たな柱と位置づけ、海外旅行2000万人越えが目標としている。その一環として、若者の渡航促進が検討される中、JATAでも「もっと!海外へ」プロジェクトを強化し取り組んでいる。この調査はマーケットの可能性を把握し、観光業界の戦略策定に役立てる目的で実施された。
【調査概要】
1.調査対象:全国10大学の大学生 1,362人。 北海道:北海学園大学 、東北:山形大学、東北学院大学、東京:早稲田大学、東洋大学 、愛知:愛知淑徳大学、大阪:追手門学院大学 、広島:安田女子大学、九州:福岡大学 、沖縄:名桜大学
2.調査期間:2026年4月30日~6月24日
3、協力:JATA提携大学、インターンシップ関係大学、余暇ツーリズム学会、国際観光学会会員教員
調査結果詳細は次の通り。
「Z 世代の大学生海外旅行意識調査」https://static.jata-net.or.jp/wp/wp-content/uploads/2026/07/gakuseichosa.pdf
「Z 世代の大学生海外旅行意識調査」(海外旅行経験者の行先の発地、着地分析編)https://static.jata-net.or.jp/wp/wp-content/uploads/2026/07/bunsakihen.pdf