国土交通省は7月31日、8月7日付で発令する幹部人事を発表した。国土交通事務次官には塩見英之国土交通審議官が就任し、水嶋智事務次官は退職する。政府は同日開いた閣議で、塩見氏の事務次官就任を含む幹部人事を承認した。
塩見氏は住宅、不動産、国土強靱化などを幅広く経験
塩見氏は1966年8月17日生まれ、兵庫県出身。1990年に早稲田大学政治経済学部を卒業し、旧建設省へ入省した。入省後は大臣官房人事課や国土庁などで勤務したほか、茨城県へ出向し、常磐新線・つくば整備や県の企画政策を担当。国土交通省発足後は、総合政策局、建設業行政、都市再生、中心市街地活性化、河川、会計などの業務を経験した。
その後、土地・建設産業局建設市場整備課労働資材対策室長、内閣官房国土強靱化推進室参事官、内閣府地方創生推進事務局参事官などを務め、国土強靱化や地方創生、国家戦略特区などにも携わった。
2018年に土地・建設産業局総務課長、2019年7月に水管理・国土保全局次長、2021年7月に大臣官房審議官(住宅局担当)に就任。2022年6月から住宅局長、2023年7月から不動産・建設経済局長、2024年7月から総合政策局長を務め、2025年7月に国土交通審議官に就任した。
住宅局長時代には住宅政策や空き家対策、不動産・建設経済局長時代には建設業の担い手確保や持続可能な産業構造づくりなどを担当。総合政策局長としては、インフラ老朽化対策、国土強靱化、地域交通、脱炭素、官民連携など、国土交通行政を横断する政策の調整に当たった。
国土交通省の幹部対談では、幼少期に橋の開通によって街の成長が加速する様子を見た経験から、インフラが持つ「街を成長させる力」に将来性を感じたことが、建設省を志望した原点だったと振り返っている。旧建設省系の住宅、不動産、建設、水管理分野を中心に歩みながら、総合政策局長と国土交通審議官を経て、省全体の事務方トップに就く。
国土交通審議官に黒田氏と鶴田氏
国土交通審議官には、黒田昌義大臣官房長と鶴田浩久総合政策局長が就任する。寺田吉道国土交通審議官は留任し、天河宏文国土交通審議官は8月4日付で復興庁へ出向する。
大臣官房長には、石原大物流・自動車局長が就任。総括審議官には鎌原宜文内閣官房内閣審議官と、原田修吾大臣官房審議官が就く。
このほか、公共交通政策審議官に金指和彦大臣官房付、危機管理・運輸安全政策審議官に坂巻健太海上保安庁次長、海外プロジェクト審議官に橋本雅道関東地方整備局長がそれぞれ就任する。
本省の主要局長が相次いで交代
内部部局では、総合政策局長に楠田幹人不動産・建設経済局長が就任する。不動産・建設経済局長には須藤明夫内閣官房内閣総務官、国土政策局長には井﨑信也大臣官房審議官、都市局長には佐々木正士郎国土政策局長が就く。
水管理・国土保全局長には森本輝中部地方整備局長、住宅局長には佐々木俊一政策統括官が就任する。道路局長は沓掛敏夫氏、港湾局長は安部賢氏がそれぞれ留任する。
交通関係では、五十嵐徹人鉄道局長が国際統括官へ転じ、後任の鉄道局長に岡野まさ子大臣官房総括審議官が就任する。物流・自動車局長には舟本浩内閣府総合海洋政策推進事務局長、海事局長には足立基成大臣官房審議官、航空局長には池光崇大臣官房公共交通政策審議官が就く。
宮澤康一航空局長は海上保安庁長官へ転じる。航空局次長には片山敏宏成田国際空港上席執行役員、航空ネットワーク部長には黒須卓大臣官房会計課長が就任する。
地方運輸局長も広範囲に交代
地方運輸局では、北海道運輸局長に石塚智之海上保安庁交通部長、東北運輸局長に三宅正寿総合政策局次長、関東運輸局長に澤井俊海上保安庁総務部長が就任する。
北陸信越運輸局長には田中賢二大臣官房審議官、近畿運輸局長には長﨑敏志観光庁観光地域振興部長が就く。中国運輸局長には7月31日付で上田大輔海技教育機構理事が就任した。
また、東京航空局長には伊地知英己自動車事故対策機構理事、大阪航空局長には7月31日付で梅澤大輔航空局安全部安全政策課長が就任した。
観光庁長官に木村氏、海保長官に宮澤氏
外局では、観光庁長官に木村典央観光庁次長が就任し、村田茂樹長官は辞職する。観光庁次長には蔵持京治鉄道建設・運輸施設整備支援機構副理事長が就く。
運輸安全委員会事務局長には大野達内閣官房内閣審議官、海上保安庁長官には宮澤康一航空局長が就任する。気象庁次長には阿部竜矢警察庁長官官房審議官が就くなど、本省と外局、地方支分部局をまたぐ大規模な人事となった。