平和不動産(東京都中央区兜町)は7月2日、メディアを対象に日本橋兜町・茅場町のプレスツアーを行った。歴史的建築を生かした街づくりや、相次ぐ新店舗、ホテルなどを巡り、証券・金融街から高感度なカルチャーやグルメが集まる街へと変貌を遂げた兜町の魅力を紹介した。
兜町は渋沢栄一ゆかりの地で、東京証券取引所を中心とする「日本のウォール街」として発展してきた。一方で、株式売買の電子化などにより証券会社の移転や統廃合が進み、街の活気は次第に失われた。平和不動産はこうした状況を受け、2020年の複合ホテル「K5」の開業を皮切りに、点ではなく「面」で街を再生する開発を進めてきた。
街づくりでは「文脈を残す」「印象をつくる」「余白をつくる」の3つをコンセプトに掲げる。歴史ある建物は取り壊さずリノベーションし、新築施設と組み合わせながら、歩いて楽しいウォーカブルな街を目指している。
ツアーでは、7月4日に開業したクラフトハーブティー・チャイ専門店「TYNK Kabutocho」をはじめ、チョコレートとジェラートの人気店「teal」、旧銀行建築を再生した複合施設「BANK」、アジアの雑貨や家具、レストランを備えた「CASICA KABUTOCHO」などを見学。
歴史的建築を活用しながら新たな食やライフスタイルを提案する店舗が、街歩きの魅力を高めている。
このほか、2025年に開業したライフスタイルホテル「キャプション by Hyatt 兜町 東京」や、ミシュランキーを2年連続で獲得したホテル「K5」も見学。宿泊施設が街のにぎわいを生み出す拠点となり、飲食店やショップとの回遊を促す役割を担っていた。
平和不動産では、オフィス街だった兜町を「多様な目的地」とすることを目標に、歴史と新しい文化が共存する街づくりを推進している。近年は来街者が大きく増加しており、証券・金融街から、食やホテル、アートを目的に訪れる人が集う新たな東京の街へと変貌を続けている。
面全体をスクラップ・アンド・ビルドするのではなく、兜町の既存の街並みを生かした街づくりが成功しているように見えた。金融街らしい重厚な建築物が残る一方で、かつて証券マンが食事や酒席に向かったであろう路地も健在で、街に奥行きを与えている。初めて兜町を訪れる人だけでなく、かつてこの街で働いていた人にとっても、懐かしさと新たな発見を楽しめる街づくりが進められている。