小田急箱根(神奈川県小田原市)は7月14日、メディア関係者向けプレスツアーを開き、この春から夏にかけてリニューアルや新設を進めた観光施設を紹介した。
ロープウェイや海賊船、レストラン、カフェなどを相次いで改装、いずれも箱根全体の滞在価値向上を図る取り組みだ。あわせて夏の「避暑旅」の魅力もアピールした。
同社は昨年開業した大涌谷の展望エリア「ちきゅうの谷」に続き、今年は芦ノ湖・箱根海賊船「ロワイヤルⅡ」、大涌谷駅2階レストラン「OWAKUDANI KITCHEN」、世界初の立体音響ゴンドラ「音箱(OTOBACO)」、山のホテルの「フラワーカフェ ロザージュ」、箱根神社近くの「三福茶屋」など、箱根を代表する観光拠点で相次いで施設やサービスを刷新した。
プレスツアーでは、まず早雲山駅から大涌谷駅まで、箱根ロープウェイの「音箱」(おとばこ)に乗車した。Dolby Atmos対応のスピーカー8台とウーファー2台を備えた世界初の立体音響ゴンドラで、車窓の景色と音楽が一体となった没入感のある体験を提供する。
晴天時と雨天時で楽曲を切り替え、言語に頼らない演出で訪日客にも対応。搬器2台体制で運行し、移動時間そのものを観光コンテンツへと変えている。
大涌谷では17日に開業する「OWAKUDANI KITCHEN」で試食会が開かれた。レストランは大涌谷駅食堂を全面改装し、噴煙を望む空間へ一新。名物「大涌谷カレー」をリニューアルしたほか、大涌谷をイメージした鉄鍋料理を加え、「ちきゅうの谷」と一体で楽しめるレストランとして整備した。
午後は18日にリニューアル就航する箱根海賊船「ロワイヤルⅡ」に元箱根港から乗船した。18世紀フランス艦隊の旗艦をモチーフにした船で、特別船室をロココ様式の華やかな空間へ刷新し、船内カフェやトリックアートも一新した。
特別船室は通常運賃に大人800円を追加すると利用できる。昨年リニューアルした英国戦艦をイメージした「ビクトリー」に続き、今回の改装で3隻ある海賊船すべての特別船室リニューアルが完了した。
続いて山のホテルの「フラワーカフェ ロザージュ」でスイーツを試食した。1993年開業のデザートレストランを、テイクアウトにも対応したフラワーカフェへ業態転換。芦ノ湖を望む2階カウンター席や、小型犬と利用できるドッグフレンドリーエリアを新設した。
名物の「ロザージュ伝統のあつあつりんごパイ」のデザート演出を継承しながら、新たにワンハンドスイーツ「HAKONEミルサンド」やエディブルフラワーを添えたドリンクを投入。購入した商品は山のホテルの庭園へ持ち込むこともでき、花と湖畔の景色を眺めながら味わえる。
最後に箱根神社近くの「三福茶屋」を訪れた。炭火で焼き上げる新名物「三福団子」は、「大福」「幸福」「裕福」の三つの福にちなんだ縁起物で、外は香ばしく中はもちもちとした食感が特徴。食べ歩き需要にも対応し、箱根神社周辺の新たな名物として売り出している。
施設やサービスの改善を進めながら、同社が今夏のキーワードに掲げるのが箱根の「避暑旅」。箱根エリアの平均標高は700~800メートルで、平野部より平均気温が約5度低いという。
芦ノ湖は標高約723メートル、大涌谷は約1044メートルに位置し、夏でも比較的涼しく過ごせる。小田急箱根は、個々の施設の改装にとどまらず、移動や食事、景観、体験を一体的に磨き上げることで、箱根全体の滞在価値を高める戦略を進めている。