富士山芸術祭実行委員会は10月17日から11月15日まで、山梨県内17会場を舞台に「富士山芸術祭2026」を開催する。45人のアーティストが参加し、富士山の豊かな自然と山梨の風土を背景に、寺院や酒蔵、歴史的建造物などを展示空間として、山梨全域が「ひとつの美術館」になる。今年の全体テーマは「生きる」だ。
「山梨そのもの」が美術館になる17会場
同芸術祭の大きな特徴は、一つの美術館の中だけで完結しないことにある。甲府・峡東、北部、峡南・富士山エリアへと広がる17の会場を巡りながら、それぞれの土地が育んできた歴史や文化、自然、人々の暮らしとアートとの出会いを楽しめる。
会場となるのは、根津記念館、甲斐善光寺、平山郁夫シルクロード美術館、ポール・ラッシュ記念館、旧二葉屋酒造など、個性豊かな場所だ。作品だけでなく、その場所へ向かう旅もまた同芸術祭の一部となる。自然災害や社会の大きな変化が続く今、何を大切にし、どう未来へ歩んでいくのか。45人のアーティストがそれぞれの視点から「生きる」を表現する。
「見る」だけでなく「つくる」体験も
同芸術祭では、作品を鑑賞するだけでなく、参加者自身が「つくる」体験も大切にしている。オリジナル鬼面瓦づくり、宝石研磨体験、竹細工、手漉き和紙、線香花火づくりなど、多彩なワークショップを開催する。職人や作家から直接学び、素材に触れることで、山梨の伝統とアートをより深く感じられる。
期間中は、音楽や舞踊、パフォーマンスなどのイベントも各地で展開する。茶の歴史をテーマにした「清談茶会」やストリングラフィコンサートなどが登場するほか、11月8日にはこうふ亀屋座を中心に、花魁道中やチンドンが甲府の街を彩る「江戸の賑わいを楽しむ一日」を開催する。作家自身が作品を語る「アーティスト・トーク」も予定している。
専用バスや共通パスポートで巡る
山梨県内に点在する会場を快適に巡れるよう、甲府駅発着などのオフィシャルツアーバスを企画している。新宿駅発着の特別企画ツアーも予定しており、横浜美術大学の加藤学長監修の探究ツアーや、お笑い芸人・みほとけと巡るコースなど、ゲストと一緒に楽しむ内容も用意する。新宿駅から甲府駅まではJR中央本線特急で約90分と、首都圏からの日帰りアート旅としても楽しめる。
17会場をお得に巡れる共通パスポートチケットは前売2,500円、当日2,800円で、地域の協賛店舗で使える「アート応援クーポン」500円分が付く。芸術祭を楽しむことが地域を巡ることにもつながる仕組みだ。