学び・つながる観光産業メディア

訪日消費、買い物需要が下支え 7~9月期は2兆2076億円、観光庁が調査結果を説明

コメント

観光庁は10月21日、2026年7~9月期の「インバウンド消費動向調査」(1次速報)に関する記者レクを開いた。訪日外国人旅行消費額は前年同期比3.2%増の2兆2076億円、クルーズ客を除く一般客の1人当たり旅行支出は同6.1%増の23万3677円となった。観光戦略課観光統計調査室の吉岡徹哉室長は、買物代の増加を今期の特徴に挙げ、購買需要の強さが消費を支えているとの見方を示した。

台湾が消費額トップ、中国の減少を他市場が補う

国籍・地域別の旅行消費額は、台湾が3818億円で全体の17.3%を占め、最も多かった。次いで中国3583億円(構成比16.2%)、韓国2938億円(同13.3%)、米国2409億円(同10.9%)、香港1555億円(同7.0%)となった。中国は前年同期比39.8%減となった一方、台湾は26.2%増、韓国は45.8%増、香港は37.1%増。吉岡室長は、中国で減少した分を台湾、韓国、香港などの伸びが補う形になっていると説明した。

買物代は6109億円、前年同期から606億円増

費目別では、宿泊費が7778億円で全体の35.2%を占め、買物代が6109億円(構成比27.7%)、飲食費が5058億円(同22.9%)と続いた。買物代は前年同期の5503億円から606億円増加し、構成比も25.7%から27.7%に上昇した。一方、宿泊費は前年同期の7794億円から7778億円、娯楽等サービス費は1054億円から940億円に減少した。

吉岡室長は「買い物代が大変伸びている」と説明。留学生など、観光・レジャー以外の目的で訪れた人の宿泊日数が短くなったことにも触れ、費目によって動きが異なる中、7~9月期は購買需要が強かったのではないかと分析した。

1人当たり支出は6.1%増、為替と需要は必ずしも連動せず

一般客の1人当たり旅行支出は前年同期比6.1%増となり、吉岡室長は、4~6月期に比べて伸びが加速したと説明した。国籍・地域別では、フランスが約42万3000円、メキシコが約41万4000円、北欧が約40万7000円と高かった。

支出増加の背景を問われた吉岡室長は、為替は前年同期に比べて円安方向に動いたものの、前期の4~6月期と比べると若干円高方向に動いていると説明。国別では「為替の動向と必ずしも需要が連動していない国も多い」とし、為替による割安感の変化だけで需要の動きを捉えることには慎重な姿勢を示した。また、消費者物価指数と比べても高い伸びとなっている点に言及し、旺盛な需要が引き続き存在しているのではないかとの見方を示した。

ロシアの支出増、背景の特定には至らず

ロシアは、一般客の1人当たり旅行支出が前年同期比88.6%増の39万8725円となった。クルーズ客を含む旅行消費額も106.7%増の182億円となり、質疑では大幅な伸びの要因に質問が出た。

吉岡室長は、ロシアの1人当たり支出は最近継続して伸びており、今回の7~9月期だけに見られる動きではないと説明。一方、その背景については「確たることが特定できているわけではない」と述べ、引き続き状況を注視すると語った。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

/
/

会員登録をして記事にコメントをしてみましょう

おすすめ記事

/
/
/
/
/