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異常気象から見る日本の観光業界

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 皆様こんにちは。

 KKday JAPAN国内営業部シニアマネージャーの王子軒です。

 最近、日によって気温が暑くなったり寒くなったりしていますが、体調管理はいかがでしょうか。私は寒暖差で咳が出る日があり、アフターコロナの中で毎日マスクを着けて外出しております。

 今回は、KKdayでも多く取り扱っているスキー場を例に挙げながら、異常気象から見る日本の観光業界について、お話をさせていただきます。

 昨今の日本では、季節外れとも感じるような異常気象が多く発生しています。冬といえばスキー、春といえば花見といった、当然のような日常に変化が見られます。今年の2月は想定よりも暖かい日が続いたため降雪量が少なく、3月は想定よりも寒かったため、桜の開花状況が後ろにずれたことで、観光業界に大きな影響を与えています。

 今シーズンのスキー場では、記録的な暖冬によりゲレンデコンディションが整わず、軒並みオープンが延期となりました。これはスキー場があるほぼ全ての県で発生しています。オープンが平均2週間から1カ月遅れた各スキー場では、料金の見直しや調整、現場整備に追われました。また、オープン後は当日の営業可否についても、天気予報を参考にしても、現場では必ずしも滑走可能な積雪量まで降雪するとは限らないため、直前での判断やお客様へのお知らせ方法など、機動性を持った経営判断と現場体制が必須となりました。調整力も問われたシーズンとなりました。

 オープンが遅れ、観光業界が盛り上がる年末年始も十分な集客ができないまま、ハイシーズンの2月を迎えるも、そこで2020年の暖冬を上回る記録的な暖かさに見舞われ、そのままシーズン終了となったスキー場もありました。結果として、シーズン全体の営業時間が前年比の60%にとどまりました。また、降雪が多い日は入場制限が必要なほどの混雑した一方で、雪が降らない日は全くお客様がいないという事態も発生し、全体の収益が大きく落ちてしまったスキー場も見られました。

 今後、このような異常気象が多くなれば、スキー場以外の観光事業者にも影響が及ぶ可能性が高く、事前に対策を練る必要があります。

 今冬の異常気象によるスキー場の苦難から、3点の課題が明らかになりました。

①シーズンの状況に応じて柔軟に対応できる現場オペレーションと周知方法

②シーズンの状況に応じて柔軟に対応できる料金調整の必要性

③通年営業ができるコンテンツ開発

 ①②の部分については、その日の状況に応じて臨機応変な対応が必要となります。電子チケットを販売導入している事業者は、プラットフォームから、状況に応じてお客様へ迅速な情報発信が可能であり、そして料金も柔軟に調整ができます。また、現地では発券システムでのダイレクトインが実現されていれば、繁忙時の現場オペレーションもスムーズに行えます。しかし、これらはオンラインチケットの利用率を引き上げていかない限り、オペレーションの煩雑化にもつながります。お客様への販促と周知とともに、事業者と各プラットフォーマーの努力が必要になってきます。

 KKdayは、多くのスキー場と連携していますが、今冬は事業者とお客様の間に立ち、オンラインチケットの周知強化とともに、国内、訪日旅行客に対して情報発信やその日に応じた料金調整に迅速に対応してきました。また、各スキー場では、ダイレクトインできる仕組みを取り入れ、繁忙期でも現場のオペレーションの負担が軽減できるように尽力し、プラットフォーマーとしてサポートをしています。

 ③については、グリーンシーズンのアクティビティや展望台の設置、ドームテントなどの通年コンテンツの開発によって、1年間を通して収益を獲得することができるでしょう。

 KKdayを導入いただいている石打丸山スキー場では、絶景ドームテントが設置されています。これは雪がない地域からの訪日旅行客に特に人気で、スキーができない初心者や夏でもテント内で新潟の絶景と食事を一緒に楽しめるプランが設定されています。このテントは、グリーンシーズンでも販売は好調で、繁忙期には満席で予約ができないほどの人気であることから、一つの新しい収益モデルになっています。

 異常気象は今後も続き、日本の観光業界に多方面で影響を与える可能性があります。観光業界はこれらの課題に対応し、柔軟なアプローチで旅行者のニーズに応えることが求められます。

 旅行者への迅速な情報提供やリスク管理が、今後の観光業界の成功に不可欠な要素になってくるのではないでしょうか。

寄稿者 王 子軒(おう・じけん)㈱KKDAY JAPAN国内営業部シニアマネージャー

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