学び・つながる観光産業メディア

観光庁・村田長官、4月訪日客0.5%減も「単月最高」 国際会議6位評価

コメント

観光庁の村田茂樹長官は5月21日の定例会見で、2026年4月の訪日外国人旅行者数が369万人となり、前年同月比5.5%減だった一方、「今年の単月としては最高の訪日数を記録した」と評価した。また、日本の国際会議開催件数が世界6位に上昇したことについても触れ、「MICE分野でも着実に成果が出ている」との認識を示した。

4月は23市場のうち9市場で4月として過去最高を記録し、特にフランスは単月過去最高となった。一方、中国や中東市場では航空便の減便・欠航などの影響で減少したという。村田長官は「短期的にはさまざまな要因を受けるため、長期的な傾向を注視したい」と述べた。

国内旅行消費は5.9兆円、経済波及効果は約12兆円

会見では、日本人国内旅行消費動向についても説明。2026年1〜3月期の国内旅行消費額は5.9兆円となり、前年同期比4.8%増となった。日本人国内延べ旅行者数は約1.2億人で前年並みだったが、1人1回当たり旅行支出は約5万円と4.4%増加した。観光庁では、旅行消費による経済波及効果を約12兆円と試算している。

国際会議開催件数、日本は世界6位に上昇

JNTOが公表した国際会議協会(ICCA)統計によると、2025年の日本の国際会議開催件数は491件となり、世界6位に上昇。前年7位から順位を上げ、2017年以降で最高順位となった。東京は119件で世界10位となった。

第5次観光立国推進基本計画では、2030年に「アジア最上位・世界5位以内」を目標に掲げており、村田長官は「引き続き国際会議誘致を推進したい」と述べた。

宿泊税・観光施設料金見直しにも言及

近年拡大する宿泊税導入については、「地域の魅力向上や観光振興を目的に、各自治体が主体的に判断するもの」と説明。地方自治体や宿泊事業者間で丁寧な議論が重要との考えを示した。

また、観光施設の利用料金見直しに関する有識者会議についても触れ、「オーバーツーリズム対策や観光コンテンツ磨き上げの財源確保の観点から、各地域の料金設定事例を分析したい」と述べた。

地方空港国際線増加「市場多様化を加速」

国際線夏季スケジュールでは、中国本土路線は減少する一方、韓国、台湾、香港、マレーシア、インド、欧米豪路線は増加。地方空港便数も前年同期を上回る見通しとなっている。

村田長官は、「インバウンド市場の多様化をさらに加速することが重要」とし、欧米豪向け大型広告展開や、東南アジア市場向け商談会などを進める考えを示した。地方空港路線増加についても、「地方誘客促進につながる」と期待感を示した。

国際観光旅客税、海外旅行需要への影響も注視

会見では、国際観光旅客税(出国税)の引き上げ議論についても質問が及んだ。村田長官は、「観光立国推進の財源として重要な役割を果たしている」と説明した上で、訪日旅行だけでなく、日本人の海外旅行需要への影響も踏まえ、「関係省庁と連携しながら慎重に検討されるべきもの」との認識を示した。

日本人の海外旅行については、依然としてコロナ前水準まで回復していない状況に言及。「若年層を中心に海外旅行離れも指摘されている」とした上で、観光庁として若者の国際交流促進や海外旅行需要回復に向けた支援策を進めていると説明した。

具体的には、海外教育旅行や国際交流事業の後押しに加え、パスポート取得促進に関する自治体支援事例の共有などにも取り組んでいく。村田長官は、「アウトバウンドの回復は、国際相互理解や人的交流の観点からも重要」と述べ、訪日と海外旅行の双方をバランス良く促進していく考えを示した。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

/
/

会員登録をして記事にコメントをしてみましょう

おすすめ記事

/
/
/
/
/