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パスポート値下げ追い風、海旅2千万人へ観光庁・外務省・JATAが共同会見

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観光庁、外務省、日本旅行業協会(JATA)、駐日外国政府観光局協議会(ANTOR-JAPAN)は6月19日、東京都内で共同記者会見を開き、2030年までに日本人海外旅行者数2,000万人の実現に向けた取り組みを発表した。会見には観光庁の村田茂樹長官、外務省の實生泰介領事局長、JATAの髙橋広行会長、ANTOR-JAPANのラウル・ゲーラ会長らが出席し、官民連携によるアウトバウンド需要の拡大、パスポート保有率の向上などを訴えた。

村田長官「インバウンドとアウトバウンドは両輪」

冒頭、村田長官は「日本人の海外旅行は国際感覚の向上や国際相互理解の促進につながる重要な取り組み」と強調。2025年の日本人海外旅行者数は約1,473万人まで回復したものの、コロナ前の2019年実績には届いていないと説明した。

今年3月に閣議決定された第5次観光立国推進基本計画では、2030年に海外旅行者数2,000万人を目標に設定。観光庁では①機運醸成による需要喚起②若者の国際交流促進③各国・地域との連携強化④安心・安全な旅行環境整備―の4本柱で取り組みを進める。

村田長官は「インバウンドとアウトバウンドを両輪で推進することが極めて重要」と述べ、地方空港の国際線活用や海外教育旅行、ワーキングホリデー制度の活用促進などを進める考えを示した。

外務省、パスポート手数料引き下げを周知

外務省の實生領事局長は、7月1日申請分から実施されるパスポート発給手数料の引き下げについて説明した。

大人は1,000円、子どもは2,000円引き下げられ、子どもの手数料は従来のほぼ半額となる。一方で申請集中による窓口混雑も予想されるため、早めの手続きを呼びかけた。

また、海外安全情報を提供する「たびレジ」の活用促進にも言及。中東情勢の緊迫化に伴う邦人退避支援の事例を紹介しながら、「渡航先だけでなく乗り継ぎ地も含めて登録してほしい」と訴えた。

さらに海外旅行保険についても触れ、「事故や病気で数千万円規模の費用が発生したケースもある」とし、加入の重要性を強調した。

髙橋会長「まずはパスポート保有率向上を」

JATAの髙橋会長は、日本人海外旅行者数が依然としてコロナ前の約7割の水準にとどまっている背景として、パスポート保有率が18%台まで低下している現状を指摘した。

その上で、海外旅行拡大に向けた「もっと!海外へ」キャンペーンを強化すると表明。7月のパスポート手数料引き下げを契機に、会員旅行会社や航空会社、各国政府観光局と連携しながら海外旅行需要の喚起を図る。

また、韓国やトルコ、ベトナムなどで日本人向けの特別イベントを企画していることを紹介し、「まずはパスポート保有率を高め、その上で出国率向上につなげたい」と語った。

ANTOR-JAPAN「双方向交流が重要」

ANTOR-JAPANのラウル・ゲーラ会長は、日本のインバウンド市場の成長を評価する一方で、「健全で持続可能な観光にはバランスが必要だ」と指摘した。

「インバウンドとアウトバウンドは競合するものではなく補完関係にある」と述べ、海外旅行の拡大は航空路線の維持や旅行業界の発展、人材育成にもつながると説明。特に若年層の教育旅行や留学、ワーキングホリデーについて「将来の国際競争力を高める人材投資でもある」と期待を示した。

今回の会見では、官民が連携して海外旅行需要を回復させるとともに、2030年の海外旅行者数2,000万人の実現を目指す方針が改めて共有された。日本人の国際往来を活性化し、訪日旅行との好循環を生み出せるかが今後の焦点となりそうだ。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

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