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リクルート・JRC、観光データ2026を分析 国内・訪日市場の変化を探る

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リクルート・じゃらんリサーチセンター(JRC)は7月29日、「観光振興セミナー2026 関東・甲信越Meeting」を開催し、「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2026」と「インバウンド都道府県ポジショニング調査2026」の最新データを公表した。国内旅行市場では旅行実施率や市場規模、旅行者の行動変化を分析するとともに、インバウンド市場では市場別の動向や地域ごとのポジショニングを可視化。地域が勘や経験だけではなく、客観的なデータを基に観光戦略を構築する重要性を示した。国内旅行編は池内摩耶研究員、インバウンド編は松本百加里研究員が解説した。

国内旅行市場は回復基調も「旅行実施率」が課題

池内研究員は、日本人の観光目的の国内宿泊旅行を対象にした「じゃらん観光国内宿泊旅行調査2026」を紹介。同調査は旅行者数や旅行費用、旅行目的、旅行先の評価などを多面的に把握するもので、経済波及効果まで分析できるほか、都道府県単位だけでなく観光地単位での分析にも対応している。

2025年度の国内宿泊旅行件数は8,993万件と前年度比0.5%増となり、市場は堅調に推移した。一方、国内宿泊旅行実施率は49.3%と前年度並みにとどまり、旅行需要のさらなる拡大には「旅行に行かない層」へのアプローチが重要になると指摘した。年代別では50代男性や70代で実施率が上昇した一方、40代以下では減少傾向が見られたという。

また、年間を通じた旅行動向では、大阪・関西万博の開幕・閉幕、記録的猛暑、訪日客4,268万人突破、第5次観光立国推進基本計画の閣議決定など、社会情勢が旅行需要にも影響を与えたことを紹介した。

テーマ別ランキングで地域の強みを可視化

調査では、「地元ならではの食」「魅力ある宿泊施設」「温泉」「自然・景観」「観光・レジャー施設」などテーマ別に都道府県の魅力度や満足度を分析した。

池内研究員は、ランキングは順位を見るだけではなく、「どのテーマで評価されているのか」「地域の強みは何か」を読み解くことが重要と説明。旅行先の評価に加え、旅行スタイルや旅行費用、旅行先での消費、再訪意向なども組み合わせることで、地域の競争力や課題を把握できるとした。

また、県別カルテを活用することで、自治体やDMOが自地域の特徴を客観的に分析し、商品造成や情報発信、観光施策の立案につなげられると紹介した。

インバウンド市場は「市場別戦略」の時代へ

松本研究員は、「インバウンド都道府県ポジショニング調査2026」を基に、訪日市場の最新動向を紹介した。

2025年の訪日外客数は4,268.4万人(前年比15.8%増)、旅行消費額は9兆4,549億円(同16.4%増)、1人当たり旅行支出は22.9万円となった。一方、外国人延べ宿泊者数は増加したものの、三大都市圏への集中度は66.3%と前年から2.8ポイント低下し、地方への分散が徐々に進んでいることを示した。

2026年1~5月の動向では、市場による差も鮮明となった。台湾は前年同期比22.3%増、韓国は20.6%増と好調だった一方、中国は56.2%減となり、市場ごとの特徴を踏まえた戦略の必要性を強調した。

「県別カルテ」とエリアルート戦略で地域を分析

JRCでは、訪日旅行者数や訪問率、平均泊数、消費単価、延べ宿泊者数、空海港利用人数、新幹線駅数などのデータを組み合わせた「じゃらんインバウンドカルテ」を作成。各都道府県のポジションを客観的に把握できるようにしている。

さらに、アメリカや韓国、中国など10市場を対象に、都道府県を「主要目的地・拠点タイプ」「新幹線立ち寄り伸びしろタイプ」「周遊・消費獲得タイプ」「滞在・高消費タイプ」など9つのエリアルート戦略タイプに分類。市場ごとに異なる旅行スタイルや周遊ルートを分析し、それぞれの地域に適した誘客戦略の立案につなげる考え方を紹介した。

データを地域経営に生かす時代へ

両研究員は、国内旅行市場の変化やインバウンド市場の多様化が進む中、観光地域づくりにはデータを基に現状を把握し、地域の強みや課題を客観的に分析することが不可欠だと強調した。

国内旅行調査では旅行需要や旅行者行動の変化を、インバウンド調査では市場別・地域別の特徴や周遊ルートを可視化することで、自治体やDMO、観光事業者がエビデンスに基づく施策を検討できる環境が整いつつある。JRCでは今後も、国内旅行とインバウンド双方のデータを活用しながら、地域ごとの持続的な観光地域づくりを支援していく考えを示した。

取材 ツーリズムメディアサービス代表 長木利通

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