観光メディア「ツーリズムメディアサービス(TMS)」は7月16日、東京・新宿で初となる「TMSリアル交流会」を開催した。京都や気仙沼、黒磯など各地から約30人が集まり、地域創生に取り組む実践者同士が顔を合わせて交流した。AIやテクノロジーが発達する時代だからこそ、リアルな場や人のつながりを大切にしたいという思いから企画されたものだ。
「共創」で地域創生の広域連携を目指す

主催者は冒頭、こうした交流会を一方的に運営するのではなく、参加者にも次回以降は運営側に加わってほしいと呼びかけた。共に創る「共創」によって、地域創生の広域連携を進めていきたいとの考えを示した。
TMSは、各地でローカルをプロデュースするチーフプロデューサーに特任記者の権利を付与し、地域の記事を自ら発信できる仕組みを整えている。YahooニュースやLINEなどのプラットフォームへ影響力を広げ、メディアを自分たちの手で育てていくことを狙いとしている。
地域創生プロデューサーが実践を語る

交流会では、各地で活動する地域創生プロデューサーが登壇し、自らの取り組みを語った。
宮城県気仙沼市から参加した熊谷彩氏は、建設業を営みながら今年1月に気仙沼DMCを立ち上げた。東日本大震災後に復旧・復興へ携わるなかで人口減少を実感し、観光を通じて気仙沼に関わる人を増やしたいと考えたという。現在は観光案内や、水産業の舞台裏が見えるツアーなどを地域を巻き込みながら実施している。
東京都日の出町で森の幼児園を運営していた印南氏は、閉園を経て現在は東京山側DMCの一員として、地域の自然や歴史を親子の学びの体験へとつなげている。長野県長和町に地域おこし協力隊として移住した小谷沙智氏は、「霧ヶ峰・美ヶ原中央分水嶺トレイル」の観光振興に取り組み、任期後にはトレイルを基盤としたDMCの設立を目指すと語った。
「日本版DMCアライアンス」で全国連携へ

東京山側DMCの代表、宮入正陽氏は、地域創生プロデューサーの育成と各地でのDMC設立を柱とする「日本版DMCアライアンス」の構想を説明した。DMCは地域の金融機関から信頼を得やすく、資金調達の受け皿になり得ると指摘。欧米型をなぞるのではなく、日本の風土・文化・歴史を伝える日本ならではのDMCのあり方を全国に広げたいと述べた。
会場には神奈川県真鶴町の小林町長も参加し、「地域を本当に盛り上げようという熱意とノウハウを持つ人たちがいることは希望だ」と期待を寄せた。交流会は後半、参加者同士の名刺交換や歓談の時間となり、初対面の実践者同士が各地の取り組みを語り合った。次回は8月31日に第2回の開催を予定している。
投稿者:西川 佳克(にしかわ・よしかつ)TMS記者 / 株式会社東京山側DMC