東京商工リサーチの調査によると、全国の主な歯科診療所6590社の2025年の売上高合計は前年比3.8%増の1兆282億700万円となり、初めて1兆円を突破した。純利益合計も4.1%増の303億8000万円で、4年連続の増収となった。
一方で、増収企業は3781社(構成比57.3%)、減収企業は2790社(42.3%)となり、業績の二極化が鮮明となった。利益面では増益企業が3180社(48.2%)、減益企業が3393社(51.4%)で、黒字企業は4381社と全体の66.4%を占めた。
売上高別では、1億円未満が3292社(49.9%)で最も多く、1~5億円未満が3022社(45.8%)と続いた。売上高5億円未満の事業者は6314社で全体の95.8%を占め、地域密着型の小規模事業者が大半を占めている。
虫歯治療に加え、予防歯科や審美歯科への需要拡大が市場を支える一方、人件費の上昇や医療機器・消耗品価格の高騰が収益を圧迫している。デジタル歯科医療や自費診療、高齢化対応への投資が求められるなか、保険診療だけでは利益確保が難しい状況が続いている。
2026年上半期(1~6月)の歯科診療所の倒産は15件で前年同期比25.0%増となり、過去20年間で2番目の高水準だった。2025年の休廃業・解散は125件と倒産26件の4.8倍に達し、事業承継も業界の大きな課題となっている。